健康に気を遣っている方の多くは、砂糖の代わりに蜂蜜を使ったり、蜂蜜をスプーン一杯食べていたりするのではないでしょうか。
私は普段、砂糖の代わりに甜菜糖や黒糖を料理に使っています。何度も書いてきたように、栄養価が皆無の精製された砂糖を使うよりも、甜菜糖などのほうがミネラルなどの成分が含まれている分、マシである為です。
ただ、ボンビーな私には蜂蜜は高くて料理には使えません。それでも、どうしても甘い物を食べたい時の為に、スーパーで安価で買うことが出来る蜂蜜を常備して、時々、スプーン一杯分ほどを食べていました。私がいつも買っていた蜂蜜は、「純粋はちみつ」の表記がある、画像右側の蜂蜜です。
で、先日。近所の人から南アフリカ産の蜂蜜を頂きました。ピュア南ア産ユーカリはちみつと表記されたその蜂蜜は、非加熱と書かれていました。
「非加熱？蜂蜜に非加熱とか加熱とかあるん？😦」
と、オッサンながら蜂蜜について無知な私は、すぐに得意の「ググる」ならぬ、最近はグーグルが嫌いなので「ダックる」（duckduckgo）しました。すると、非加熱蜂蜜について様々な情報が出るわ出るわ・・・。
「非加熱の生はちみつには、酵素や栄養が壊れずに生きたままたっぷりと含まれています。ブドウ糖・果糖などをはじめ、10数種類のビタミン類、カルシウム・鉄など27種類のミネラル、アミラーゼなど約80種類の酵素、乳酸菌、ポリフェノールなどが含まれます。
健康の源となる酵素と栄養が協力しあい、その相乗効果で栄養素の吸収率がぐっと上がります。さらに、非加熱の生はちみつには、大豆や味噌の30倍のグルコン酸が含まると言われています。グルコン酸には、大腸まで届きビフィズス菌を増やしながら腸内環境を整え、悪玉菌を抑制してくれる作用があります。」
なんと、非加熱の蜂蜜こそが本来の蜂蜜であり、栄養成分もそのまま摂取することが出来るのだそうです。加熱すると、これらの栄養は殆どが消えてしまい単なる甘い液体になってしまうという。
恐ろしいのは、国産の99%が加熱済みの蜂蜜と言われている点。また、日本に入ってきている海外産蜂蜜も多くが加熱済みであるとか。特に一般的なスーパーで販売されている蜂蜜は全てが加熱済みと見てよいみたいです。なんてことだ、私は単なる甘い液体を食べていたのか・・・😓
蜂蜜を加熱する理由の1つは、生産サイクルを速める為だとか。テレビで養蜂業者を取材した特集を見ていると、採りたての蜂の巣を遠心分離機にかけて蜂蜜を絞り出している場面がありますよね。この工程は、不純物を取り除く為にフィルターにかけて濾す作業も兼ねているそうです。
生の蜂蜜は非常に粘度が高く、フィルターにかけてから濾過されるまで時間がかかります。その為、大量生産している業者はここで生蜂蜜を加熱します。加熱すると熱でトロトロになり作業時間の短縮に繋がる為です。生産ペースを上げる為に栄養が犠牲となってしまっているのです。
他の理由もあります。蜂たちが花から採取してきた蜜を巣に持ち帰ってきたあと、自分たちの羽で蜜に風を送り、じっくりと水分を飛ばしていきます。この工程を熟成と呼び、3～4日かけて完熟状態にすると蜂たちは出来上がった蜂蜜に蜜蠟で蓋をします。
水分が飛ばされて熟成された蜂蜜は糖度が高くなります。国内だと蜂蜜と認可される為の糖度の基準は78%以上です。しかし業者は生産ペース最優先ですから、蜂たちの熟成工程を待つわけにはいきません。とはいえ採取してきたばかりの未熟成蜂蜜は水分があり、そのままでは糖度もそれほど高くない状態です。
そこで加熱をして煮詰めます。煮詰めて糖度を基準値まで上げて蜂蜜を名乗る、という仕組みです。海外では、この作業工程を加えてしまうと蜂蜜を名乗れなくなりますが、なんと日本はオッケーで御座います。さすが、あらゆる食品の基準がユルユルの我が国です。日本で流通している国産蜂蜜の殆どが、この工程を加えているという訳なんですね。
ということは、スーパーでよく売られているアルゼンチンやカナダの蜂蜜といった海外産蜂蜜は、「蜂蜜」を名乗っているのだから煮詰めたりしていないということでは？その通り！🐝
しかし、海外産の蜂蜜を貨物船で日本に輸入する際、気温の関係で結晶化するという問題が発生します。そこで、日本で瓶詰めする際に瓶に入れやすいように、輸入蜂蜜が入ったドラム缶を100℃の温風庫に入れて3日間、温めてとろとろにする場合が多いそうです。
100℃の温風でじっくりコトコトと温められておりますから、そりゃーあんさん、栄養は当然消えます。結局は加熱している蜂蜜となってしまうのです。
ちなみに中国産は砂糖や果糖ブドウ糖液などを混ぜた偽物だらけ、とのことです。
私がよく食べていた蜂蜜はこれです。原材料はオレンジとレモンの蜂蜜のみ。メキシコ、スペイン、アルゼンチン産の純粋蜂蜜、150gで398円だったかな。安いですよね。
このメーカーの蜂蜜について調べると、純粋な蜂蜜であることは間違いないけど、あー、まあそうですよね・・・という感じの記述が多く出てきます。高確率で温風庫で加熱された蜂蜜と見たほうがいいでしょう。安いし大量生産の時点で気付くべきでした。
一方、頂いたこちらの蜂蜜。原材料名は南ア産はちみつ。250gで2500円。販売サイトにて「非加熱・無添加・完熟蜂蜜」とあり、その為「気温が低くなると結晶化して固まるので、43℃ほどの湯で湯煎してください」とあります。「高温で加熱すると栄養分が分解されてしまいます」の記述も。
つまり、嘘偽りのない本物の非加熱・完熟蜂蜜である証拠です。そして本物はやはり高いです。
見て頂いたらお分かりの通り、一般的な蜂蜜のような液体ではない。スプーンでも掬いにくいほど、しっかり固まっている印象です。
で、味が非常に美味しい！濃厚な甘みで、えぐみがなく、まるで高級な生キャラメルを食べているような食感。これが本物の蜂蜜か・・・これは冗談抜きで美味しいです。
ん？私が子供の頃、家にいつも置いてあった普通のレンゲ蜂蜜は、冬になると白く結晶化して固まっていた記憶があるぞ・・・つまり、昔は本物の蜂蜜が一般的なスーパーで普通に売られていたということか。
いつからか国内業者も大量生産にシフトして、消費者に美味しい本物を届けることより、生産コスト最優先の商業主義に走ってしまったということか・・・。
どれ、室温24℃前後の部屋で、蜂蜜を垂らす実験を開始してみようか😶
サ〇ラ印の「純粋蜂蜜」は、ボトル容器を軽く押すと、すぐにダラーっと流れ出てきます。ボトル容器に詰めやすいように100℃の温風で加熱されたお陰で、使用する我々もとても助かります（嫌味）。
こうやって見るとパンケーキなどによくかける一般的な蜂蜜ですよね。味も普通に甘い蜂蜜です。ただ、オレンジとレモンの蜂蜜と記載されているのに、柑橘の香りも味もまったくしません。昔、高級なミカン蜂蜜を食べたことがあるけど柑橘の風味がふわっと広がったものですが・・・。
では、本物の非加熱・熟成蜂蜜を掬い出してみます。どうですか、この生キャラメルチックな見た目。そして濃い色。
ほら、全然垂れ流れてきません。はっきり言って取り出しにくいと言えばそうなのですが、そんなことなど些細な問題です。それよりも味が本当に美味しいです。こんなことを言うと田中義剛ファンに怒られますか、花畑なんとかの生キャラメルよりも断然美味しいですわ。
時間をおいて、やっと少し下に落ちてくる感じ。24℃前後の部屋でこれですから、10℃台だと結晶化しているかもしれませんね。
・・・🙄🐝
そして今、私が定期購入している蜂蜜がこちらです。ニュージーランド産の完全非加熱の生ハチミツです。意外と安くて500g2200円くらいで購入できます。毎晩、寝る前に必ずスプーン1杯を食べるようにしています。
ハニーマザーというお店で購入しています。大切な人にはマヌカハニーを送って食べてもらっております。蜂蜜やマヌカハニーは農薬問題が気になりますが、このお店では農薬検査をしっかり行っており、安心して食べることが出来ます。
マヌカハニーもそうですが、この蜂蜜も上段で紹介した南ア産の蜂蜜と同様に生キャラメルのような色と粘度があります。
ほら、スプーンで掬ってもなかなか落ちてきません。これが非加熱蜂蜜の特徴です。味はやや独特でマヌカハニーに近い感じです。癖があるので苦手は人は受け付けないかもしれませんが、毎日スプーン1杯を食べるだけでもお通じが良くなったり色々な効果を実感できます。
・・・ということで今日はハチミツを特集してみました。私自身、知らないことだらけだったので調べて勉強になると同時に、今の日本の食品市場が如何に消費者目線とはかけ離れた商業主義であるか、改めて思い知ったという気持ちになりました。
健康の為に蜂蜜を食べているという方は、今、食べている市販品蜂蜜は加熱料理用にでも使って頂いて、今後は非加熱・完熟をしっかり証明している養蜂業者から直接購入することをお勧めします。
普通に市販されている加熱蜂蜜を栄養目的で食べるくらいなら、黒糖や甜菜糖を舐めているほうが栄養が摂れるのではないでしょうか。しかし、市販の蜂蜜の殆どはエンプティカロリーか、マジで騙された気分ですわ。蜂蜜業界も闇が深いですなあ。
