N-アセチルシステイン(NAC)は、条件付き必須アミノ酸であるシステインのサプリメントである。NACには、抗酸化物質の補給や脳への栄養補給など、多くの健康効果がある。
NACは体内で他のアミノ酸から生成することができる為、条件付き必須成分と考えられている。メチオニンやセリンの食事からの摂取量が少ない場合にのみ必須アミノ酸となる。
システインは、鶏肉、七面鳥、ヨーグルト、チーズ、卵、ひまわりの種、豆類など、ほとんどの高タンパク食品に含まれている。
システインとNACを十分に摂取することは、体内で最も強力な抗酸化物質であるグルタチオンを補充するなど、さまざまな健康上の理由から重要である。これらのアミノ酸は、慢性呼吸器疾患、生殖能力、脳の健康にも役立つ。
今回は、NACの健康効果を9つ紹介しましょう!なお、ワクチン後遺症に関する内容は記事下段にて、Augmented NACなども交えて追記して紹介しております。ぜひぜひお読みください😀
要約:
1. NACは体内で最も強力な抗酸化物質であるグルタチオンの補充を助け、さまざまな健康状態の改善に役立つことが確認されている。
2. NACは体内の解毒を助け、アセトアミノフェンの過剰摂取を治療することができる。
3. NACは脳内のグルタミン酸レベルを調整することにより、精神疾患の症状を緩和したり、薬物依存症患者の欲求を軽減する可能性がある。
4. NACの抗酸化作用と去痰作用は、炎症を抑え、粘液を分解することで肺機能を改善させる。
5. NACは抗酸化物質であるグルタチオンの補充とグルタミン酸の調節を補助することで、アルツハイマー病やパーキンソン病などの症状を治療する可能性を秘めている。
6. NACは、生殖細胞を傷つけたり殺したりする酸化ストレスを軽減することで、男性の生殖能力を向上させることが示唆されている。また、PCOSの女性の生殖能力を助ける可能性がある。
7. NACは脂肪組織の炎症を抑えることでインスリン抵抗性を低下させ、血糖調節を改善すると考えられるが、現時点ではヒトを対象とした研究が不足している。
8. NACは心臓の酸化ダメージを軽減し、ひいては心臓病リスクを低下させる。
9. NACはグルタチオンレベルを高める作用があり、免疫機能を向上させる。
第一章:NACの服用量など
システインは体内で少量しか生成されない為、食事から摂取することは特に推奨されていない。体内でシステインというアミノ酸が作られるには、十分な量の葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12が必要である。
これらビタミンB類は、豆類、ほうれん草、バナナ、サーモン、マグロなどに豊富に含まれている。また、鶏肉、ヨーグルト、チーズ、卵、ひまわりの種、豆類などタンパク質が豊富な食品の多くにはシステインが豊富に含まれている。
とはいえ、食品から安定してシステインを補給することはなかなか難しい。そこでNACサプリを服用している人が海外には多くいる。
服用量は?
経口用サプリメントを摂取する場合、バイオアベイラビリティが2割~3割と低くなるので、1日当たり600~1800mgを摂取すると良いだろう。
但し、海外フォーラム等で服用体験談を調べて行くと、人によってはこの量だと改善後に金属毒性による後遺症状を訴える人が一定数存在している。よって、健康効果を求めて服用する場合、最初は250〜600mgが安全と言えるだろう。徐々に増やして自分に合った量を見つけることが大切だ。
副作用は?
NACは1960年代から医療現場で使用されてきた歴史あるサプリであり、副作用が非常に少ないとされ、安全性も確立されている。ただ、多量摂取すると吐き気、嘔吐、下痢、便秘を起こすことがある。また、血栓などがありワルファリンなど抗血液凝固薬を服用している人は禁忌となっている。
また、NACは硫黄のような独特な臭いがあり、人によっては不快で服用することが出来ないかもしれない。私もNACサプリの臭いや服用後の後味が苦手な為、呼吸を止めて一気に飲み込み、すかさずチョコを食べるようにしている。臭くて吐きそうになるだし😑🤮
精神疾患や依存症治療に効果的ってホント?
NAC=グルタチオンはブレインフォグや各精神疾患、トラウマ治療、依存症治療にも使用されている。NACにこれらの効果が期待される理由は、血液脳関門を突破して脳内に到達できる為である。これにより脳内グルタチオンレベルを向上させ抗酸化作用を高めるのだ。
精神疾患の患者は脳のストレスレベルが非常に高く、高レベルの慢性炎症を引き起こしている。これは脳のグルタチオンのレベルが低いことを意味している。
NACを定期的に補給することは、脳内のグルタチオンレベルを上昇させて酸化ストレスレベルを下げる。よって炎症が軽減してニューロンの保護にも繋がり精神疾患が改善する。
不安障害、強迫性障害、パニック障害、学習障害、自閉症、記憶障害、認知症改善などにも効果を発揮すると考えられており、実際に患者に1日250mg~600mgを投与して改善報告を出している海外の精神医療専門家もいる。日本は知らん。
また、薬物、ニコチン、アルコール、ギャンブル等の依存症にも効果を発揮する。依存症患者の脳は酸化ストレスレベルが高いという研究報告が多く出ている。各種依存症患者へのランダム化比較試験で、NACを1800~2400mg投与した患者の多くに依存レベル低下と改善が確認されている。
ワクチン後遺症に効果的ってホント?
脳関門を突破して脳内全域に蓄積するスパイクタンパク質は、様々な精神症状やブレインフォグ、人格変化などの後遺症を引き起こす。Sタンパクが脳全体に侵入して炎症を引き起こす為である。
脳関門を突破するNACは上述の通り脳内の炎症レベルを低下させ、さらにSタンパク自体を除去する効果まで確認されている。1日に12%のスパイクタンパク質をNACは除去するのである。よって、ワクチン後遺症の改善にも有効と考えられるのである。
第二章:NACの健康効果
では、NACにはどのような健康効果があるのか。論文を適当に貼りつけながら紹介していきましょう。
1. 強力な抗酸化物質であるグルタチオンの生成に不可欠
NACは、主に抗酸化物質の生成における役割で評価されている。NACは、他の2つのアミノ酸-グルタミンとグリシンと共に、グルタチオンを作り補充する為に必要である。
グルタチオンは体内で最も重要な抗酸化物質の1つで、細胞や組織にダメージを与えるフリーラジカルを中和する働きをする化合物である。抗酸化物質は、身体の自然な免疫システムと毒素排出プロセスをサポートする。
また、抗酸化物質を摂取することで、心血管系疾患などいくつかの慢性疾患リスクを軽減できるという研究結果もある。
A Review of Dietary (Phyto)Nutrients for Glutathione Support - PMC
Associations between dietary antioxidant intakes and cardiovascular disease | Scientific Reports
2. 解毒を助け、腎臓や肝臓へのダメージを予防・軽減する
NACは体内の解毒プロセスにおいて重要な役割を果たしており、環境毒素への暴露による副作用を防ぐのに役立つ。
医師は、アセトアミノフェンの過剰摂取者に対して、腎臓や肝臓の障害を予防または軽減する為、定期的に患者にNACを静脈内投与している。NACは抗酸化作用と抗炎症作用があり、他の肝臓疾患にも応用できる。
A Review on Various Uses of N-Acetyl Cysteine - PMC
3. 精神疾患や薬物依存症を改善する可能性がある
NACは、脳の最も重要な神経伝達物質であるグルタミン酸レベルを調整するのに役立つ。
グルタミン酸は規則正しい脳の活動に必要であり、グルタミン酸とグルタチオンの枯渇は脳機能に悪影響を与える。これは、双極性障害、統合失調症、強迫性障害(OCD)、薬物使用障害などの精神疾患の一因となる。
N-acetylcysteine in the treatment of psychiatric disorders: current status and future prospects
https://www.hindawi.com/journals/bmri/2018/2469486/
双極性障害やうつ病の患者にとって、NACは症状を軽減し、生活の質を向上させるのに役立つという研究結果も出ている。さらに、中等度から重度の強迫性障害の治療にも役立つことが示唆されている。
N-Acetylcysteine in depressive symptoms and functionality: a systematic review and meta-analysis
同様に、動物実験では、NACが引きこもり、無気力、注意力の低下といった精神疾患と関連する症状への影響を最小限に抑える可能性が示唆された。
NACはまた、薬物依存症の改善や管理にも応用できる可能性が研究で示唆されている。下記の研究では、NACは大麻やニコチンの使用や欲求を減少させる可能性があることが示されている。
N-acetylcysteine: A potential treatment for substance use disorders - PMC
4. 呼吸器症状の緩和を助ける
NACは、抗酸化物質および去痰薬として作用し、気道の粘液を緩めることで、呼吸器疾患の症状を緩和することができる。
NACは肺のグルタチオンレベルを補充し、気管支や肺組織の炎症を抑える。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者は、肺組織の酸化的損傷と炎症が長期にわたって続く為、気道が収縮し、息切れや咳の原因となる。
NACサプリメントを摂取することで、COPDの症状、増悪、肺機能低下を改善できることが可能であるという研究も出ている。
N-acetylcysteine in COPD: why, how, and when? - PMC
慢性気管支炎の患者もNACで治療することができる。気管支炎は、肺の気管支の通路の粘膜が炎症を起こして腫れることで、肺への空気の通り道を塞いでしまう症状である。NACがこの症状を改善させる研究結果が出ている。
Safety of N-Acetylcysteine at High Doses in Chronic Respiratory Diseases: A Review - PMC
気管支の粘液を薄め、グルタチオンの濃度を高めることで、NACは喘鳴、咳、呼吸器発作の重症度や頻度を減らすのに役立つのである。
COPDや気管支炎を和らげるだけでなく、NACは他の肺や気道の症状も改善する可能性が示唆されている。嚢胞性線維症、喘息、肺線維症などの他、アレルギーや感染症による鼻づまりや副鼻腔づまりの症状も改善させると考えられているのだ。
Safety of N-Acetylcysteine at High Doses in Chronic Respiratory Diseases: A Review - PMC
5. グルタミン酸を調整し、グルタチオンを補充することで脳の健康を促進する
NACはグルタチオンを補充して脳のグルタミン酸レベルを調整し、脳の健康を高めることができる。
神経伝達物質であるグルタミン酸は、学習、行動、記憶機能に幅広く関与し、抗酸化物質であるグルタチオンは、加齢に伴う脳細胞の酸化ダメージを軽減するのに役立つ。
NACはグルタミン酸レベルを調整し、グルタチオンを補充する働きがある為、脳神経や記憶力に問題を抱える人の状態改善に役立つ可能性がある。
A Review on Various Uses of N-Acetyl Cysteine - PMC
アルツハイマー病は学習と記憶能力を鈍らせる。動物実験では、NACがアルツハイマー病患者の思考能力の低下を遅らせる効果があることが示唆されている。
A Review on Various Uses of N-Acetyl Cysteine - PMC
パーキンソン病は、神経伝達物質であるドーパミンを生成する細胞の劣化を特徴とする。細胞への酸化による損傷と抗酸化力の低下の両方が、この病気の原因である。NACサプリメントは、ドーパミン機能と、振戦など末梢神経障害の両方を改善させる。
A Review on Various Uses of N-Acetyl Cysteine - PMC
6. 男女ともに生殖機能を改善する可能性がある
NACは男性の生殖能力を改善することが示されている。妊娠を希望するカップルの約15%が不妊症であり、これらのケースのほぼ半数において男性不妊が主な要因となっている。
男性不妊症の多くは、生殖系におけるフリーラジカルの形成に対処する抗酸化物質レベルが不十分であることが原因である。
The Impact of Oxidative Stress in Male Infertility - PMC
男性不妊の原因の1つに、フリーラジカルによるダメージで陰嚢内の静脈が拡張する静脈瘤がある。ある研究では、精索静脈瘤のある男性35人に対し、手術後3ヵ月間、1日600mgのNACを投与した。
手術とNAC補給の組み合わせは、対照群と比較してパートナーの妊娠率を22%改善した。
A Preliminary Study: N-acetyl-L-cysteine Improves Semen Quality following Varicocelectomy - PMC
加えて、NACは高齢女性や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者において、排卵周期を誘発または増大させることによって生殖能力を改善する可能性があるが、研究数が少なく、さらなる研究が必要とされている。
7. 脂肪細胞の炎症を抑えることで血糖値を安定させる
高血糖と肥満は脂肪組織の炎症を助長する。インスリン受容体を損傷または破壊し、2型糖尿病のリスクを高める可能性がある。
The etiology of oxidative stress in insulin resistance - PMC
動物実験では、NACが脂肪細胞の炎症を抑えることで血糖値を安定させ、インスリン抵抗性を改善する結果が出た。
N-acetylcysteine Protects Mice from High Fat Diet-induced Metabolic Disorders - PMC
インスリン受容体が無傷で健康であれば、NACが血液中の糖分を適切に除去して正常範囲内に保つ働きをすると考えられる。
8. 酸化ダメージを防ぐことで心臓病のリスクを減らす可能性がある
酸化による心臓組織の損傷は心臓病を引き起こし、脳卒中、心臓発作、その他の重篤な状態を引き起こすことに繋がる。NACは心臓組織に対する酸化を軽減することによって、心臓病のリスクを軽減することが示されている。
Associations between dietary antioxidant intakes and cardiovascular disease | Scientific Reports
研究によると、NACは糖尿病患者や特定の心臓手術から回復した人の心臓機能と心臓の健康状態を守ることが示された。
9. グルタチオンレベルを高める作用により免疫機能を向上させる
NACとグルタチオンは免疫向上を高める働きをすることが分かっている。NACとグルタチオンの欠乏に関連する特定の疾患に関する研究では、NACを補給することで改善することが示唆された。さらに、免疫機能を回復させる作用もある。
・・・🙄
ワクチン後遺症で苦しむ人が多くなった。高容量ビタミンC、高容量ビタミンD3、亜鉛、マグネシウム、金銭的に余裕がある場合はリポソームグルタチオンを服用し、出来れば分子増強N-アセチルシステイン(Augmented NAC)も服用して欲しいところ。
ワクチンに含まれるスパイクタンパク質を体内から除去することを目的としたプロジェクト、ZeroSpikeが行った細胞培養実験では、24時間以内に、増強NACが細胞表面上の全スパイクタンパク質の99パーセントを変性させることが判明した。
※スパイクタンパク質という物質が分離された記録は現時点で存在しません。Sタンパクが存在するか否か、素人の当方は断言することは出来ません。あくまで参考としてお読みください。
※ZeroSpikeによるPDF報告書より
本実験では、質量分析技術を応用して、様々なな条件下で「Augmented NAC」(分子増強NAC)と「Standard NAC」(標準NAC)の効果を検討しました。
NACの効果を調べる為に質量分析技術を応用しています。異なる物理化学的効果に晒されたスパイクタンパク質のコンフォメーションと、化合物であるNACとの相互作用に由来する作用を調べました。
NAC増強版と標準版における化合物N-アセチルシステイン(NAC)との相互作用に起因する作用をモニターしています。間葉系細胞株のレセプターにおけるスパイクタンパクの変性率の結果は以下の通りです。
上の画像は、2つのNACを用いてスパイクタンパク分解率を研究した2023年の最新研究報告である。通常のNACを規定量服用した場合、服用後24時間でSタンパクを12%分解できる。
もう1つは、日本では入手できない分子増強タイプの "AUGMENTED NAC" だ。こちらはSタンパクを24時間以内に99%分解したという結果が出た。
NACは抗酸化物質グルタチオンの前駆体としての働きをする。NACを服用しておけば体内でグルタチオンを活性率100%に近い状態で活用できる。コロナ予防やワクチン後遺症以外にも、日常の健康維持や美容面においても有効である。
尚、サプリや薬にはバイオアベイラビリティ(生体利用率)があることを念頭に置く必要がある。要するに成分が体で分解・吸収後に血液に乗り実際に活性化される割合である。薬もサプリも経口摂取は20%~30%と言われている。
つまり、成分1,000mg含有のサプリなら、実際は200~300mg程度しか活性化されない。薬もサプリも閾値に届かなければ意味が無い。海外製サプリが高含有量の理由はこの為である。
医学論文では、後遺症患者に1日1,200mg~1,800mgを推奨しているが、海外フォーラム等で様々な体験談を調べて行くと、人によってはこの量だと改善後に金属毒性による後遺症状を訴える人が一定数存在している。よって、感染直後は1,200mg、改善後の後遺症予防に服用する場合は250〜600mgが安全と言えるだろう。
NAC=グルタチオンは、炎症性サイトカインストームを軽減・阻止するだけではなく、DNA生成、免疫の活動・酵素の活動の補助にも関わっており、肝機能の機能改善にも関わっている。
また、ブレインフォグや各精神疾患、トラウマ治療にも使用されている。NACは血液脳関門を突破して脳内に到達できる為である。これにより脳内でグルタチオンレベルを向上させ抗酸化作用を高める(精神疾患患者は脳のストレスレベルが非常に高い)。
NACを定期的に補給することにより炎症が軽減してニューロンの保護にも繋がる。ゆえに精神疾患、ブレインフォグ、不安障害、強迫性障害、パニック障害、学習障害、自閉症、記憶障害、認知症改善などにも効果を発揮すると考えられており、実際に患者に1日600mgを投与して改善報告をしている海外の精神医療専門家もいる。
スパイクタンパクは脳関門を突破して脳全体に侵入するとされる。ワクチン接種後に神経疾患やブレインフォグ、人格変化などの後遺症を引き起こす場合があるが、Sタンパクが脳全体に侵入して炎症を引き起こす為だという。
脳内炎症レベルを低下させ、さらにSタンパク自体を除去するNACは、こういった後遺症の改善にも有効と考えられるのである。NACは1960年頃から医療現場で使用されてきた歴史あるサプリであり、安全性も確立されている。
分子増強NACは日本や輸入代行業者では取り扱いが無い。米国アマゾンなどで購入する必要がある。
とはいえ、服用後24時間で99%のスパイクを除去する研究結果が出ているのだ。酷い後遺症で苦しんでいるならば、増強NACの服用を続けることでSタンパクによるダメージを大きく改善できるかもしれない。
という訳で、今回はNACの効果と可能性について取り上げてみました。後遺症で苦しむ人にとって、この情報が少しでも役に立てたら幸いでございます。