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【ELO】Electric Light Orchestra 1978年 来日公演ブートレッグ【Jeff Lynne】


みんな大好き、ジェフ・リン率いる英国ポップの金字塔エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)の唯一の来日公演となった1978年の大阪&東京公演を収録したブートレッグ盤を紹介するよ😙


1978年、ELOはアルバム "Out Of The Blue" リリースに伴う大規模なワールドツアーを敢行する。ツアーにおける主役の1つは、マネージャーのドン・アーデンが考案したアルバムジャケットのスペースシップを再現したステージ・セットだった。セットはマイケル・クリスプがデザインし、50万ドルの建設費がかかったという。

1978年1月、ツアーに向けてLAのスタジオでリハーサルを重ね、1月末からツアーを開始。ハワイ・ホノルルでギグを行った後、ニュージーランド、オーストラリア、日本からツアーが正式にスタートした。この時は、例のステージ・セットはまだ披露されていない。

3月2日まで日本をツアーした後、4月から5月にかけてヨーロッパをツアーしている。そして6月にロンドン・ウェンブリー・アリーナで怒涛の10連続公演を行った。ここで大掛かりなステージ・セットがついにお披露目となる。そしてスペース・シップを携えて大規模な北米ツアーに挑むのである。




ステージ・セットはコンサートを盛り上げたが、バンドに大混乱を引き起こした。セッティングと輸送に大きな費用が掛かったのである。

コンサートの度に専門の技術者がセッティングして、終了後に解体して13台の大型トラックに乗せて次の会場へと運び出す。高額な費用と時間を要した為、通常セットの会場とスペースシップ・セットの会場と分けられてツアーが進行した。

スペースシップ・セットは電気で稼働させている都合上、演奏中に熱で非常に暑くなる問題があったという。この影響でチェロやヴァイオリンのチューニングが狂うことも頻発したと言われている。

この為、バックアップとしてテープに頼ったそうだ。楽器のチューニングが狂った場合は、バックアップ用のテープ音量を上げてフォローしたという。だが、これがテープを利用したカラオケ演奏という評論家の批判を招いた。

また、スペースシップの形は音響にも影響した。現代のようにイヤーモニターが無い為、この影響でバンドが演奏中に自分たちの音を拾うことにも支障が出て、コンサートは非常に苦労したという。

6月2日、スペースシップ・ステージを使った初のコンサートとなるウェンブリー公演初日は、グロスター公爵リチャード夫妻が出席した。この後の北米ツアーに帯同する俳優トニー・カーティスによるステージ紹介もこの日が初日である。

このライブはテレビ放送され、後に映像ソフトとしてもリリースされている。昔の映像作品にありがちな、ライブ映像にスタジオ音源を被せた「加工されたライブ作品」という残念な内容となっている。

上記のバックアップ用テープの問題に加えて、映像の内容が加工された物だった為、ELOはテープを使った口パクのカラオケバンドというレッテルを批評家たちに貼られてしまった。




1978年ツアーのブートレッグで近年登場したものに、アメリカの名テーパー、ジョー・ウィザードが録音した、8月26日カリフォルニア州アナハイム・スタジアムでの有名なコンサートがある。ジャケットにはスペースシップ・ステージで演奏するバンドが確認できる。

6月末から10月1日まで行われた北米ツアーの中でも、この日は特別なコンサートだった。トリックスター、キングフィッシュ、スティーヴ・ペリーが加入したばかりのジャーニーがオープニング・アクトを務め、メインのELOが登場する前に大掛かりな演出が始まったという。

まず、飛行機雲で空に「ELO - THE BIG NIGHT」と描かれ、トニー・カーティスがステージに登場すると、パラシュートで降下してきたストームトルーパーとスターウォーズ風のバトルショーを繰り広げた。その後、花火が打ち上げられ、スターシップが開いてコンサートが開始となったという。

大規模な "Out Of The Blue Tour" (The Big Night Tour)だったが、ステージセットによる莫大な費用、そのセットのお陰で後々までバンドに悪影響を与える口パク疑惑が取り沙汰されるなど、決して成功とは言えなかった。

このツアーを最後に、バンドからストリングス奏者がいなくなった。批評家たちによるバッシングの影響もあり、人気はこの時をピークに徐々に下降線を辿ることになる。これらの問題の発端となったドン・アーデンとの関係が悪化して訴訟にも発展した。コンサート・ツアーも規模が縮小していくが、それでもアルバムやシングルは変わらずヒットを出し続けた。

 

 

ここでは、1978年2月に行われたELO初来日にして唯一の来日公演より、2月22日日本武道館公演、23日大阪フェスティバルホール公演のブートレッグを音源付きで紹介します。

来日公演の日程は以下の通り。

2月22日:日本武道館
2月23日:大阪フェスティバルホール
2月24日:大阪フェスティバルホール
2月25日:京都会館
2月26日:福岡九電記念体育館
2月28日:名古屋市公会堂
3月2日:静岡駿府会館

 

Band line-up :
Jeff Lynne - Vocals, Guitar

Richard Tandy - Keyboards
Hugh McDowell - Cello
Melvyn Gale - Cello
Mik Kaminski - Violin
Kelly Groucutt - Bass
Bev Bevan - Drums, Percussion
Jake Commander - Backing Vocal

 

 

 


Budokan 1978 Complete (Uxbrige-114)

Disc 1
1. Fire On High
2. Night In The City
3. Turn To Stone
4. Eldorado Overture
5. Can't Get It Out Of My Head
6. Cello Solo
7. Tightrope
8. Telephone Line
9. Rockaria
10. Violin Solo
11. Strange Magic
12. Showdown
13. Sweet Talking Woman
14. Evil Woman

Disc 2
1. Livin' Thing
2. Do Ya
3. Ma Ma Ma Belle
4. Roll Over Beethoven

1978年「Out Of The Blue」リリース期に行われた初のジャパン・ツアーより、2月22日武道館公演を1時間26分に渡って高音質オーディエンス録音にて、オリジナル・マスター・カセットからダイレクトにコンプリート収録。

過去、未収録だったアンコールの "Ma Ma Ma Belle" と "Roll Over Beethoven" も収録され、ビートルズを連想させる、ヴァイオリン、チェロなどを大胆にフューチャーしたオリジナルなバンド・アンサンブルは今聴いても新鮮。

また場内では、当時はまだ珍しかったレーザー光線が飛び交い、ファンタスティックなスペースを演出しており、その様を良質な分離感と、クリアーでスケールの大きなサウンドで再現。

特に "Tightrope" "Telephone Line"  "Rockaria" とヒット曲をはさんで披露される、ヒュー・マクダウェルの6分間のチェロ、ミク・カミンスキの7分間のヴァイオリン・ソロも聴きどころ。

 


ジェフ・リンは2019年、日本の音楽メディアの取材に対し、このような発言をしています。


「実は未だに忘れられない出来事があってね。ちょっと馬鹿みたいな話なんだけど、武道館でやった時のことは凄くよく覚えているよ。いつも通りにステージでギターを弾きながら歌っていて、ふと右側を見たら、なんとボブ・ディランが座っているんだよ!モニターのところに。

僕たちの日本での公演を、ボブ・ディランが見に来てくれたんだ。終演後、ボブが僕の楽屋に挨拶に来た。そうしたら楽屋で、ボブのサインをもらう為に20人ほどの人の列ができていて、僕のほうにもサイン目当てのファンの人の列が20人ほどできていた。僕のサインを待ってる一人の女性に僕は『君のノートから1ページ僕にくれないかな』と聞いたんだ。

『変なことをきいてくるな』と彼女はきっと思っただろう。でも『いいですよ』と言ってくれた。で、僕は彼女のノートのページを1枚破って、ボブ・ディランのほうの列に行って、そこに並んで彼のサインをもらったんだ(笑)。

今でも、その時のサインを持っている。なかなか面白い出来事だったよ。例の女の子は全然怒っていなくて、ボブのサインをもらった後、彼女のところに戻ってサインをしてあげたんだ。

トラベリング・ウィルベリーズをやる遥か前のことだったから、実はその時がボブと会うのが初めてだったんだ。またいつ会えるか分からなかったから、絶対にサインをもらわないとって思ったんだ。おかしな話だよね。

みんな『あいつ何をやってるんだ?』ってきっと思っただろうね。列に並んじゃってね。将来、彼と一緒にウィルベリーズをやることになるなんて、あの時は想像すらしていなかった。ウィルベリーズを結成したのはあれから10年後・・・初めて行った日本で初めてボブに会った、不思議な思い出だよ」


とのことで、この22日武道館公演で、このような出来事があったのですなあ。ボブ・ディランもコンサートに訪れていた武道館公演の音源を、それではどうぞ!

 


budokan pt.1

 


budokan pt.2

 

 

 

 

 

 


Prince And The Snow Night (AYY-093/094CD)

Disc 1
1. Fire On High
2. Night In The City
3. Turn To Stone
4. Eldorado Overture
    - Can't Get It Out Of My Head
5. Cello Solo
6. Tightrope
7. Telephone Line
8. Rockaria
9. Violin Solo

Disc 2
1. Strange Magic
2. Showdown
3. Sweet Talking Woman
4. Evil Woman 
5. Livin' Thing

6. Do Ya
7. Ma Ma Ma Belle
8. Roll Over Beethoven


1978年『アウト・オブ・ザ・ブルー』リリース期に行われた初のジャパン・ツアーより、2月23日大阪フェスティバル・ホール公演を、当時としてはAランクといえる高音質オーディエンス・マスターよりコンプリート収録。これまで前日22日の武道館公演は流通していたものの、この大阪公演は今回初発掘されたもので、まさに絶頂期であり、最初で最後の日本公演ゆえファンは必携。

 


この音源はDIMEより登場。ネット上にも出回っています。複数の業者によりブート化されていますが、どれもDIMEの音源を使用、同じ音質。業者曰く高音質ですが、音は正直あまりよくありません。アップに際し当方で少し改善を試みておりますが、元マスターの音が悪い為いかんともしがたい・・・。では、音源をどうぞ。

 


osaka pt.1

 


osaka pt.2

 

・・・ということで、ELOの初来日公演ブートでした。他の日も恐らく録音している人がいるのでしょうが、できればそろそろDIMEなりに放流して頂けたら・・・。

 

 

 

おまけ🙄

いつもの如く、おまけです。

 


Chicago Stadium August 10th 1978

1. Standing In The Rain
2. Night In The City
3. Turn To Stone
4. Can't Get it Out of My Head
5. Cello Solo
6. Tightrope
7. Telephone Line
8. Rockaria
9. Violin Solo
10. Strange Magic
11. Showdown
12. Mr. Blue Sky
13. Sweet Talkin' Woman
14. Evil Woman
15. Do Ya
16. Audience Noise
17. Livin' Thing
18. Ma Ma Ma Belle
19. Roll Over Beethoven
20. Outro


未ブート化音源。1978年8月10日シカゴスタジアム公演をオーディエンス録音で収録。音割れが酷く、ノイズの波を聴いているような印象。これはブート化は無理ですわ🤢

巨大な野外スタジアムであるシカゴスタジアムでの客席録音はどれも音が悪い。例えばジャーニーの82年の同会場での音源も似たような音質でございます。では、音源をどうぞ。

 


part.1

 


part.2

 

 

 

おまけ🙄

 


Santiago, Chile Nov 15th 2003

1. Evil Woman
2. Jewel And Johnny
3. Livin’ Thing
4. Can’t Get It Out Of My Head
5. Over London Skies
6. Sweet Talkin’ Woman
7. Confusion
8. Do Ya
9. Rockaria
10. Fire On High
11. Showdown
12. Telephone Line
13. Before We Go
14. Ma Ma Ma Belle
15. Twist And Shout
16. Strange Magic
17. Standin' In The Rain
18. Mr Blue Sky
19. Last Train To London
20. Turn To Stone
21. Don’t Bring Me Down

Eric Troyer – keyboards, vocals
Louis Clark – keyboards, conductor
Kelly Groucutt – bass, vocals
Mik Kaminski – violin, keyboards
Parthenon Huxley – guitar, vocals
Gordon Townsend – drums, percussion

1988年、活動停止していたELOの創設者の1人ベブ・ベヴァンが、リンの許可を得た上でELO PART.2を結成する。アルバムをリリースするも、ジェフ・リン不在の似非ELOでは支持を得ることが出来ず、ベブは2000年を以て音楽業界から引退する。

残されたELO PT.2のメンバーは、バンド名をThe Orchestraに変更して活動を継続。ELOのクラシック・ヒット曲を中心に演奏する懐メロコピーバンドとして東欧や南米などを中心にツアーを行うが、もはや存在そのものが風前の灯火状態。

この音源は2003年にチリで放送されたものらしい。DIMEから登場。未ブート化音源だが需要が無い為でしょう、業者もハナからブート化するつもりはないと思われアングラ状態のまま。演奏も正直、うーん・・・。

ウィルベリーズを経て2001年からジェフ・リンズELOが活動しているが、最盛期よりも演奏が素晴らしい現在進行形ELOを聴くにつれて、このELOコピーバンドの存在意義に疑問が生じる。

 


chile 2003 pt.1

 


chile 2003 pt.2

 

 

以上です。ほなほな🤗

 

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