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【英国プログレ】CAMEL - Bootleg File 1977


元キャラヴァンのリチャード・シンクレアを正式メンバーとして、元キング・クリムゾンのメル・コリンズをゲスト・プレイヤーとして迎えた第2期キャメルの、1977年ツアーを収録したブートレグを紹介します。

 

オリジナル・ラインナップによる4thアルバム「MOONMADNESS」リリースに伴うツアーが1976年3月25日からスタート。バンドはジャズ・ロック・スタイルを模索していたことから、ダグ・ファーガスンの推薦で、メル・コリンズに参加を要請。9月の北欧ツアーからメル・コリンズがゲスト参加。

皮肉なことに、バンドの為にメル参加のアイデアを提案したファーガスンがツアー終了後に解雇されてしまう。ラティマーは後に、ファーガスンを解雇したことを悔いる発言をしている。

ラティマーは、オリジナル・ラインナップの関係性をファミリーと語っている。中でもファーガスンは、バンドにおける精神的支柱のような存在だったという。ファーガスンを解雇して以降、オリジナル・ラインナップの頃のような人間関係をバンド内で感じることは二度となかったと述懐している。

1977年、リチャード・シンクレアが加入。彼の加入は、バンドの弱点であったヴォーカルの弱さを一気に克服すると同時に、ジャジーなプレイスタイルはバンドの演奏力を底上げすることにも繋がった。

2月からアルバムの制作を開始、8月にレコーディングを終えて完成した「RAIN DANCES」は、オリジナル・キャメルとは異なる、洗練された楽曲が並ぶ傑作アルバムだ。都会的で垢抜けたフュージョン・ロックに、良い意味で驚かされたファンは多かったのではないだろうか。わしゃ驚きましたっ😱

第2期ラインナップの初ライブは、9月3日ドイツ・シェーセルで開催された「FIRST RIDER OPEN AIR FESTIVAL」となった。

正式なツアーは9月13日からスタート。9月22日にはロンドン・コルダーズ・グリーン劇場でTV番組 "BBC SIGHT AND SOUND" を収録。 "BBC IN CONCERT" としてFMラジオでも放送されている。

このツアーは、ライブアルバム「A LIVE RECORD」用に各公演がレコーディングされている。アルバムに収録された公演と曲は以下の通り。


9.30 HAMMERSMITH ODEON

SONG WITHIN A SONG

10.1 HAMMERSMITH ODEON
NEVER LET GO

10.2 BRISTOL COLSTON HALL
FIRST LIGHT
METROGNOME
UNEVENSONG
LUNAR SEA
RAIN DANCES

10.3 LEEDS UNIVERSITY
SKYLINES


ツアーは10月11日ドイツ・ハンブルグ公演で終了した。"RAIN DANCES TOUR"は、第2期による唯一のツアーであり、バーデンス在籍最後のツアーとなってしまった。ブートレグは9月22日ロンドン公演を収録したものばかりで数が少ない。それでは、1977年のブートを紹介しましょう!

 

 

 

Line up:

Andrew Latimer - guitars, flute, vocals 
Peter Bardens - keyboards
Mel Collins - saxophones, flute
Richard Sinclair - bass guitar, vocals
Andy Ward - drums

 

 


FIRST LIGHT NORWAY 1977 (GX158)

1. First Light
2. Metrognome
3. Unevensong
4. Rhayader 
    - Rhayader Goes To Town 
    - Dunkirk 
    - The Snow Goose
5. Tell Me
6. Song Within A Song
7. Skylines
8. Highways Of The Sun
9. Lunar Sea 
    - Rain Dances
10. One Of These Days I'll Get An Early Night


Galaxyレーベル、1CDR。1977年9月15日ノルウェーオスロ、シャトーノイフ公演をオーディエンス録音で収録。Dimeから登場。以下、メーカーインフォ。

英国プログレッシヴ・ロック抒情派の代表格キャメルの貴重な発掘ライブ音源が新たに登場!アルバム『レイン・ダンス』発表時期の77年9月15日ノルウェイオスロ公演を高音質オーディエンス録音マスターから収録!

当時の新作『レイン・ダンス』からのナンバーそして彼らの最高傑作アルバムとしてお馴染みの『スノー・グース』からのメドレー等、70年代中期キャメルの貴重な発掘ライブ音源として大推薦のタイトルです!!

・・・と、音源の質を大絶賛のインフォだが高音質とは言えませんなあ。録音レベルの差が激しくて心臓に悪い。全体的にレベルオーバー気味で音の歪み、音割れも酷い。悪くは無いけど典型的な70年代のAUD音源。

"Song within a song" は中盤に途切れる箇所がある。他にも曲に影響はないが途切れる箇所がある。アンコールの"Never let go" がカットされている。ピッチが半音高く、ピッチコントロール無しで聴くのは無理がある。商品化するなら調整してからにして欲しい。

新曲はスタジオに忠実な演奏、既存曲は76年9月以降の演奏に近い。まだ固い印象を受けるかな。リチャード・シンクレアのブリブリのベース音が爆音で録音されているので、リチャードのファンは楽しめるかと。

アップに際し、"Song within a song" や他の途切れる箇所は私が違和感なくパッチしておきました(笑)。ピッチも調整しております。ネットにアップされているものは、これらが未修正・未調整でごぜます。では、音源をフルでどうぞ。

 


norway1

 


norway2

 

 

 

 

 

 



UNEVENSONGS (OH BOY 1-9092)

1. FIRST LIGHT
2. METROGNOME
3. UNEVENSONG
4. THE SNOWGOOSE
5. HIGHWAYS OF THE SUN
6. LUNAR SEA
7. NEVER LET GO
8. ONE OF THESE DAYS I'LL GET AN EARLY NIGHT


OH BOYレーベル、プレス盤1CD。1977年9月22日ロンドン公演をサウンドボード録音で収録。古参キャメルファンなら一度は手にしたことがあるブートでしょう。

恐らくBBCトランスクリプション・ディスクから直コピーしたであろう超高音質。僅かにスクラッチ・ノイズが聴こえることからも確定だろう。トラック4に "SNOWGOOSE" と "SKYLINES" が1曲として収録されてしまっているのが難点だが、他に問題は見当たらない。

この日はBBCのテレビとラジオで放送されている。映像はキャメルプロダクションからDVDソフトとしてオフィシャルリリース済み。

CDは近年「LIVE IN CONCERT, LONDON '77」というタイトルでハーフ・オフィシャル化された。DVD用の音声とFM音源ではミックスが全く違う為、同じライブでありながら印象は大きく異なる。

ブート専門雑誌GOLD WAXでは、この77年ロンドン公演レビューで「キャメルというバンドは演奏が実に手堅くジャズ・フュージョンのようだ」と評されている。それだけメル・コリンズ&リチャード・シンクレア効果がよく表れている演奏である。

このロンドン公演は、全体的にオフィシャル「A LIVE RECORD」に収録されている演奏よりも攻めの印象を受ける。特に"NEVER LET GO"はドライブ感がありロック然としている。

 

 

 

 

 

 



DRIVING (A-CT202)

1. METROGNOME
2. UNEVENSONG
3. SKYLINES
4. LUNAR SEA

5. SONG WITHIN A SONG*
6. HIGHWAYS OF THE SUN
7. THE SNOWGOOSE
*クレジットされているが実際は未収録


CANTERBURY TALES(AULICA)レーベル、プレス盤1CD。1977年9月22日ロンドン公演、1975年4月22日ロンドン公演をサウンドボードで収録。

1曲目は"FIRST LIGHT"終盤メル・コリンズのソロからフェードインで始まり"METROGNOME"へと続く。曲順は入れ替えられており、曲間は全てフェードイン・アウト処理されている。

ピッチが半音ほど低く、ざらついたノイジーな音質。恐らく受信環境が悪い状態のラジオ音源と思われる。

トラック7 "THE SNOWGOOSE"は、77年のライブ音源ではなく75年BBCライブ音源。THE GENUINE PIG RECORDSレーベル「FAMOUS ROCK DREAMS」などのブートレグに収録されている音源と同じもの。

後に「GODS OF LIGHT '73-'75」としてオフィシャル化もされている。このブートは発売された当時から価値無し。購入して泣いた記憶。

 

 

 

 

 



MOON DANCE (HL116#CA1)

1. FIRST LIGHT
2. METROGNOME
3. UNEVENSONG
4. RHAYADER
    - RHAYADER GOES TO TOWN

    - SKYLINES
5. HIGHWAYS OF THE SUN
6. LUNAR SEA
7. NEVER LET GO
8. ONE OF THESE DAYS I'LL GET AN EARLY NIGHT
9. ECHOES*
10. NOBODY KNOWS*
*Bonus Track - Tokyo 1980


HIGHLANDレーベル、プレス盤1CD。1977年9月22日ロンドン公演と、1980年1月27日渋谷公会堂公演をサウンドボード録音で収録。

本作は、どう考えても上段のOH BOYレーベル「UNEVENSONGS」を丸々コピーしたものだ。その根拠は、まず音質が全く同じである点。スクラッチ・ノイズを含めて全く同じ。

次に、インレイを見るとお分かりの通り、トラック4 "SNOWGOOSE" と "SKYLINES" が、あたかもメドレー形式であるかのように1トラックとして記載されている点。OH BOY盤のミスを、ミスであることに気付かずメドレーとしてクレジットしてしまうとか本当にプログレ専門レーベル?😧

・・・と言いたいところだが、実際はトラック5に "SKYLINES" が収録されており、きっちりとトラックが分けられている。ややこしいぞい。

ところが、HIGHLAND盤も類似の大ポカをしている。何とトラック7に "LUNAR SEA" と "NEVER LET GO" が収録されている。頼みますよ本当に。

ボーナストラックの80年1月27日渋谷公演は、SHOW COMPANYレーベル「NEON MAGIC」と同じ音源。

近年「LIVE IN TOKYO '79 & '80」というタイトルでハーフ・オフィシャル化された。また、HIGHLAND盤を丸ごとコピーしたハーフ・オフィシャル盤も登場している。ブートを堂々コピーとか、阿漕な商売をする業者が増えたものですなあ。では、音源をどうぞ。

 


london 1977 & tokyo 1980

 

 

 

 

 

 


LIVE FROM LIVERPOOL (GX034A/B)

DISC 1
1. FIRST LIGHT

2. METROGNOME
3. UNEVENSONG
4. excerpts from THE SNOWGOOSE
5. TELL ME
6. SONG WITHIN A SONG
7. SKYLINES

DISC 2
1. HIGHWAYS OF THE SUN

2. LUNAR SEA
3. RAIN DANCES

4. ONE OF THESE DAYS I'LL GET AN EARLY NIGHT
7. NEVER LET GO


GALAXYレーベル2CDR。1977年9月24日リバプール・エンパイアシアター公演をオーディエンス録音で収録。待望の第2期キャメル新音源。

気になる音質は平均的なオーディエンス録音。モノラルにも感じられるが団子状態のようだ。バランスが片方のチャンネルに若干寄っている。この音質で第2期のライブがフルで楽しめるのは有難い。

この日は演奏が若干荒い。また"FIRST LIGHT"では前半パートでメルのマイクが入っていないトラブルがある。では、試聴音源をどうぞ!音源は当方の手で音量を若干下げてあります。

 


1. FIRST LIGHT
2. METROGNOME
3. UNEVENSONG
4. RHAYADER
    - RHAYADER GOES TO TOWN
5. TELL ME
6. SONG WITHIN A SONG



7. HIGHWAYS OF THE SUN
8. LUNAR SEA
9. RAIN DANCES
10. ONE OF THESE DAY I'LL GET AN EARLY NIGHT
11. NEVER LET GO

 

 

 

 

 

 


NEW CASTLE 1977

DISC 1
1. FIRST LIGHT

2. METROGNOME
3. UNEVENSONG
4. excerpts from THE SNOWGOOSE
5. TELL ME
6. SONG WITHIN A SONG

DISC 2
1. SKYLINES
2. HIGHWAYS OF THE SUN

3. LUNAR SEA
4. RAIN DANCES

5. ONE OF THESE DAYS I'LL GET AN EARLY NIGHT
6. NEVER LET GO


未ブート化音源。1977年9月27日ニューカッスル・シティホール公演をオーディエンス録音で収録。典型的な70年代のモノラルAUD音源。

元の音質自体が良くないが、それに加えて世代を重ねたテープと思われ音質は厳しい。録音レベルやピッチが非常に不安定でブート業者も恐らくブート化を見送るレベル。

では、ニューカッスル公演の音源をどうぞ。アップした音源は「A LIVE RECORD」を基準にピッチを出来る限り修正、音量も極力一定になるように調節しました。大変でした(苦笑)。

 


1. FIRST LIGHT
2. METROGNOME
3. UNEVENSONG
4. EXCERPTS FROM "THE SNOWGOOSE"
    - RHAYADER
    - RHAYADER GOES TO TOWN
    - PREPERATION
    - DUNKIRK



4. EXCERPTS FROM "THE SNOWGOOSE"
    - SANCTUARY
    - FRITHA
5. TELL ME
6. SONG WITHIN A SONG
7. SKYLINES
8. HIGHWAYS OF THE SUN
9. LUNAR SEA
10. RAIN DANCES



11. ONE OF THESE DAYS I'LL GET AN EARLY NIGHT
12. NEVER LET GO

 

 

他にも、昔、トレードした未ブート化音源のテープがあるのですが(ドイツ公演など)、再生機器が無い為にお手上げでございます。テープも生きているのかどうなのか・・・。

以上でキャメルの1977年RAIN DANCES TOUR特集は終わりです。