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【英国プログレ】CAMEL - Bootleg File 1973-1976


どこか垢ぬけなくて良い意味でB級バンド臭くもあり、優しくて心打たれる魅力的なサウンドを作り出してきた英国ファンタジープログレの雄キャメル。オリジナル・ラインナップ期である1974年~76年のライブを収録したブートレグを紹介します。

 

キャメルはウィッシュボーン・アッシュのサポートとして1971年12月4日ロンドンでライブデビューを果たし、翌72年1月28日からツアーを本格的に開始。MCAと契約を結び、1973年2月28日には1stアルバム「CAMEL」をリリース。直前の2月19日にはBBC"JOHN PEEL SESSION"に出演。この時のSBD音源が、出回っているキャメルの最も古いライブ音源と思われる。

また、BLUE CAFEレーベルから登場した「ITALIAN LADY」など、73年5月1日(或いは1月5日、5月15日と諸説ありデータが錯綜しております)イタリア公演もブートの定番として出回っている。

1974年、デラムレコードに移籍。同年3月に2ndアルバム「MIRAGE」をリリース。ビルボード149位と初のチャートインを果たした。74年は1月~10月までイギリスを中心に毎月ツアーを行い、11月からは初の北米ツアーが始まった。

北米ツアーは1975年2月4日まで続く大規模なものとなった。ツアー前半はローリー・ワイズフィールドが加入した直後の新生ウッシュボーン・アッシュのサポートを務め、75年からはテッド・ニュージェントやKISSのサポートも務めたようだ。

では、すでに多くを処分して所有枚数は少ないですが、キャメルの音源を紹介していきましょう。

 

 

 


Early Years Live 1973 (JM-519)

1. Earthrise
2.Mystic Queen
3. Lady Fantasy
4. Arubaluba
5. The Traveller
at Palasport, Bologna, Itlay May 28th 1973


Joker Musicレーベル、1CDR。1973年5月28日ボローニャ公演をオーディエンス録音で収録。この日の音源はネットで探しても一切出てこないですなあ。海外の有名なキャメルファンサイトの音源リストやツアーデータにも、この公演に関する情報が一切ない。

徹底的に調べていくと、1972年1月から月に数回のペースで様々なバンドとツアーを行っている。主にマルゴ・ジェリー、スタックリッジ、ピンク・フェアリーズ、アルビオン・バンド、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト、ルネッサンスと共演していたようだ。

1973年に入ると、スタックリッジとツアーを行っている。5月はヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターと共にイタリアを回ったらしい。5月28日ボローニャ公演は、VDGG、キャメル、アーサー・ブラウンが出演している。

それほど驚くことではないが、オープニングで "Earthrise" を演奏している。74年の演奏とは違い、テンポを若干緩めながらも力強い演奏が展開されている。特にアンディ・ワードのドラムが強烈なまでに冴え渡っている。この人は本当に独特で個性的なシンバルワークを聴かせてくれる。

それにしても、この音源はDimeで出回った形跡が無いが、一体どこから出てきたのだろう。あらゆるブートをコピーして販売しているコピーブート屋にも本作はリストに無い。Joker Musicというレーベルを知っている人自体が少ないかもしれないが・・・。

 


ちなみにJoker Musicは西新宿のごく一部店舗で取り扱いしている。このブートもJMレーベルのもの。大手ブート通販サイトでは取り扱いが無い為、存在が知られていないと思われる。なお、73年ボローニャ公演は完売したみたいです。

では、音源をどうぞ。一部加工してあるから、コピってツベにアップしたら分かるで🤭

 


1973528

 

 

 

 

 

 


Queen's Hall, Leeds, UK 1973

1. Earthrise
2. The White Rider
3. Six Ate
4. Supertwister
5. Lady Fantasy
6. Arubaluba 


未ブート化音源。1973年10月19日リーズ公演をオーディエンス録音で収録。"Second All-night Festival" というイベント出演時の音源。

BBCのDJであるPete Drummond、デビュー間もないビー・バップ・デラックス、ヒュー・ニコルソンとティミー・ドナルドが結成したBlue、ベーブ・ルース、ピート・シンフィールド&フレンズ(メル・コリンズ、ボズ・バレル、イアン・ウォーレス、ティム・ヒンクリーと超豪華!)、ヴィネガー・ジョー、ロキシー・ミュージックという出演者に混じってキャメルも参加したようだ。

残念ながら、音が悪すぎてまともに聴けたものではない。70年代クリムゾンのブートでよく耳にしたような典型的な劣悪音質。音源を探し求めてハズレのブートを購入した時のような、ある意味で懐かしく感じさせてくれる音質かな(苦笑)。どちらかと言えば、キャメルよりピート・シンフィールドを聴きたい🙄

では、視聴音源をどうぞ。

 


19731019

 

 

 

 

 

 


ROCK FESTIVAL 1974

1. The White Rider
2. Ligging At Louies'
3. Lady Fantasy
4. Arubaluba


1974年6月15日ロンドンで開催されたらしい、詳細不明のロックフェス出演時のFMエアチェック音源。GALAXYレーベル(海外のダウンロード音源専門ブート屋)「The Early Live Years 1973-1974」に収録されているが、元々はTorrentサイトのDimezoneから登場した音源である。当方が所有している音源もDIMEから落したもの。ブートも全く同じ音源のはず。レビュー割愛、それでは音源をどうぞ。

 


festival1974

 

 

 

 

 

 


MARQUEE MOON 1974

1. Earthrise
2. The White Rider
3. Six Ate
4. Supertwister
5. Mystec Queen
6. Ligging At Louies'
7. Homage To The God Of Light
8. Lady Fantasy


レーベル不明1CDR。1974年6月20日、ロンドン・マーキークラブ公演をサウンドボード録音で収録(AUD音源という説もある)。

古くからテーパーの間では定番となっていた音源。オフィシャル「A LIVE RECORD」に一部が収録されたマーキークラブ公演は74年10月29日公演である。

アンディ・ラティマーとピーター・バーデンスがキャメルサウンドの核であるとよく言われるが、この音源を聴くと、ラティマーとバーデンスだけではなく、アンディ・ワードの暴れまわるようなドラミングがキャメル独特のサウンドに不可欠と感じる。

バント運営とサウンド両面の核とされるバーデンスは自己主張しておらず、大人しくバンドに溶け込んでいるといった印象を受ける。

"EARTHRISE"は、オリジナル・ラインナップによる演奏ではこのツアーでしか聴けない上に、ツアー中も滅多に演奏されることがなかった。92年の再結成ツアーでセットリストに組まれたが、オリジナル・ラインナップによる演奏を聴くと、再結成時の演奏は味気なく感じられてしまう。

この音源は、74年11月19日ニューヨーク公演と共にCD2枚組でハーフ・オフィシャル化された。では、音源をどうぞ!

 


marquee1974 pt1

 


 marquee1974 pt2

 

 

 

 

 

 

The Snow Goose Tour

ツアーを終えたバンドは75年4月、3rdアルバム「THE SNOW GOOSE」をリリース。UKチャート22位、ビルボード162位となった。リリース直後の4月13日から、アルバムをプロモーションする為のツアーがスタート。

10月17日ロイヤルアルバート・ホール公演は、ロンドン・シンフォニー楽団との共演による "SNOW GOOSE" が全曲演奏され「A LIVE RECORD」に収録されている。このツアーからのブートレグは数が少ない。

 

 


EPITAPH (BLUE CAFE-57)

1. White Rider
2. Supertwister
3-17. The Snow Goose (complete)
18. Lady Fantasy


BLUE CAFEレーベル1CDR。1976年5月26日・・・とクレジットされているが、正しくは1975年12月5日ハンブルク公演をまずまずのAUD録音で収録。

70年代の平均的なモノラルAUD75分で、通して聴くのは辛い。注目はバンドだけによる"SNOW GOOSE"全曲演奏が聴ける点。ロンドン・シンフォニーとの共演では緊張があったのだろう、全体的に固い演奏だったが、ここで聴ける演奏は実に伸び伸びとしている。

では、視聴音源をどうぞ。

 


1975125

 

 

 

 

 

 


SHEFFIELD CITY HALL 1975

1. White Rider
2. Supertwister
3. The Snow Goose (complete)
4. Lady Fantasy


未ブート化音源。1975年12月16日シェフィールド公演をオーディエンス録音で収録。上のハンブルク公演と似たレベルのモノラルAUD。少しピッチが狂っているのが難点。

テーパーの間で出回っている音源は、"SNOW GOOSE"、次に"WHITE RIDER" "SUPERTWISTER" "LADY FANTASY"という曲順で収録されている。恐らく演奏されていたと思われる"GOD OF LIGHT"は未収録となっている。

ここで聴ける"SNOW GOOSE"全曲演奏は所々でアレンジが加えられている。そして終始落ち着いた演奏で、演奏の完成度が高くなっているのが分かる。では、音源をどうぞ!

 


1. White Rider
2. Supertwister
3. The Snow Goose
    The Great Marsh -
    - Rhayader Goes To Town

 


4. The Snow Goose
    Sanctuary -
    - The Great Marsh

 


5. Lady Fantasy

 

 

 

 

 

 


COMPLETE SNOW GOOSE SHOW (BLUE CAFE-242A/B)

Disc 1
1. White Rider
2. Supertwister
3. Introduction
4-18. The Snowgoose (complete)

Disc 2
1. Momage To The God Of Light
2. Lady Fantasy


BLUE CAFEレーベル、2CDR。1975年12月18日、レディング・タウンホール公演をオーディエンス録音で収録。珍しい"SNOW GOOSE TOUR"を1公演完全収録したブートレグが登場。しかもツアー最終日。75年ツアーのブートは本作で3タイトル目。

なかなか良質なステレオAUDで、75年の録音としては十分に満足できる音質。最終日だけに気合が入り過ぎたか若干のミスが目立つ。特に"LA PRINCESSE PERDUE"でのピーター・バーデンスの演奏は注目。では音源をどうぞ!

 


1. White Rider
2. Supertwister
3. Introduction
4. The Snow Goose
    The Great Marsh -
    - Rhayader Alone

 


5. The Snow Goose
    Flight Of The Snow Goose -
    - The Great Marsh

 


6. Momage To The God Of Light
7. Lady Fantasy

 

 

 

 

 

 

Moonmadness Tour


オリジナル・キャメル最後の作品となった「MOONMADNESS」は1976年3月にリリースとなった。UKチャート15位、ビルボード118位。

ツアーが3月25日からスタート。4月14日ハマースミス・オデオン公演は近年、オフィシャルCD&DVDになった他、音源の一部がリマスター盤「MOONMADNESS」のボーナストラックとして収録された。

英国及び欧州ツアーを6月19日まで行い、直後に北米ツアーを開始している。1976年ツアーを収録したブート盤は以下のものが存在。

1976. 4.2 LIVERPOOL
1976. 6.23? SAN FRANCISCO*
1976. 6.28 ENCINITAS
1976. 8.28 READING FESTIVAL
1976. 9.20 HELSINKI


*
この音源は6月23日か26日かでファンの間で論争が起きている。確定し得る資料が出ておらず、未だに決着がついていない。では、1976年のブート音源を紹介しましょう。

 

 

 


LUNACY IN THE MAD MOONLIGHT (TC76074)

1. Song Within A Song
2. The Great Marsh
3. Rhayader
4. Rhayader Goes To Town
5. Air Born
6. Chord Change
7. Preparation
8. Dunkirk
9. Another Night
10. Lady Fantasy


ツアー開始8日目に当たる1976年4月2日リバプール・エンパイア・シアター公演をオーディエンス録音で収録。アナログ・ブート音源。一部情報によると、この日は30分ほどのFM放送音源も存在しているとか。

この音源はモノラルAUDで、前半はこもった音質。後半から少しずつ聴きやすくなる。ツアー開始から日が浅い為か、新曲は少しミスがある。全体的には熱い演奏が展開されており聴きごたえ十分。それでは音源をどうぞ。

 


1. Song Within A Song
2. The Great Marsh
3. Rhayader
4. Rhayader Goes To Town
5. Air Born
6. Chord Change

 


7. Preparation
8. Dunkirk
9. Another Night
10. Lady Fantasy

 

 

 

 

 

 


AMERICAN TOUR 1976 DAY 1 & 2

2001年、SIRENEレーベルから76年6月カリフォルニア公演の音源が2種同時に登場した。現在は処分して手元にない為、昔、運営していたサイトの小さな画像を流用しております。

「AMERICAN TOUR 1976 DAY ONE」は6月18日エンシニタス公演として登場。しかし、18日はEUツアー中であり、エンシニタス公演は正しくは6月28日。当日は昼と夜の2公演を行っており、収録された音源はレイトショーである。

ここではDAY TWOとして登場した6月23日or26日とされる、サンフランシスコ公演の音源をどうぞ。

 


1. Aristillus
2. Song Within A Song
3. The Great Marsh
4. Rhayader
5. Rhayader Goes To Town
6. Air Born
7. Chord Change

 


8. White Rider
9. Lunar Sea
10. Preparation
11. Dunkirk
12. Another Night

 

 

 

 

 

 



READING '76 (SIRENE-018)

1. Announce
2. Aristillus
3. The Great Marsh
4. Rhayader
5. Rhayader Goes To Town
6. Song Within A Song
7. Chord Change
8. Lunar Sea
9. Preparation
10. Dunkirk
11. Lady Fantasy


SIRENEレーベル、プレス盤1CD。1976年8月28日レディング・フェスティバル出演時の演奏をオーディエンス録音で収録。

日本のレコード会社関係者が資料用に録音した音源とされる。オフィシャルアナログLP盤のライナーに「キャメルのレディングフェスのステージを観たが、その演奏力は非常に高く、ピンク・フロイドなどの大物バンドにも引けを取らない」云々と記述されていたことを記憶している。

レディングのステージを観たというライナー執筆者と、同行した関係者が、一連の「READING 1976」ブートレッグ・シリーズ(COLOSSEUM II, GONG, VDGG, SOFT MACHINE)の音源を録音した人ではないかと私は推測している。

ほぼ同時に同レーベルからリリースされた「AMERICAN TOUR 1976」がCDRでリリースされたのに対し、本作はプレス盤でリリースされた。この音源がそれだけ貴重な物であるということだろう。

70年代の野外コンサート会場の録音ながら、聴きやすいAUD音源で十分に及第点と言える。演奏もオリジナル・キャメルらしさ溢れる、良い意味で荒さと勢いがあり素晴らしい。では、音源をどうぞ。

 


1. Announce
2. Aristillus
3. The Great Marsh
4. Rhayader
5. Rhayader Goes To Town
6. Song Within A Song
7. Chord Change

 


8. Lunar Sea
9. Preparation
10. Dunkirk
11. Lady Fantasy

 

 

 

9月からヨーロッパ・ツアーに入る。このツアーから、元キング・クリムゾンのメル・コリンズがゲストとしてツアーに帯同している。

HIGHLANDレーベルから9月20日ヘルシンキ公演を収録した「MOONRISE」が登場。既に売却して手元におまへん。すんまへん。内容的にそれを上回る未ブート化音源を紹介しましょう。

 

 


GOTHENBURG 1976

1. Aristillus
2. Song Within A Song
3. The Great Marsh
4. Rhayader
5. Rhayader Goes To Town
6. Supertwister
7. Chord Change
8. White Rider
9. Lunar Sea
10. Preparation
11. Dunkirk


1976年9月29日スウェーデンヨーテボリ公演をオーディエンス録音で収録。メル・コリンズが参加したことで、音に大きな厚みが加わった。特に"RHAYADER GOES TO TOWN"や"LUNAR SEA"は、第2期に通ずるジャジーな演奏へと変貌を遂げており、バンド側が望んだジャズ・ロック へと進化を遂げている。

本音源はAUDながら厚みがある良好ステレオAUD。演奏も素晴らしく、ブート化されないのが不思議なほど。ただ、曲間がフェードイン・アウト処理されているのが残念。では、音源をどうぞ。

 


1. Aristillus
2. Song Within A Song
3. The Great Marsh
4. Rhayader
5. Rhayader Goes To Town
6. Supertwister
7. Chord Change

 


8. White Rider
9. Lunar Sea
10. Preparation
11. Dunkirk

 

この後、バンドは10月12日までツアーを続けたあとダグ・ファーガソンを解雇。元キャラヴァンのリチャード・シンクレアを加入させて第二期キャメルをスタートさせることになる。

オリジナル・ラインナップ編はこれで終わりです。