いつの時代も流行は一回りして再び訪れるもの───21世紀に入った頃、ゲームショップの片隅に置かれたワゴンに入れられ、捨て値で処分されていた8ビットや16ビットの旧世代機のゲームたち。
それが今では全体的に恐ろしいほど価格上昇していることをご存じの方も多いのではないでしょうか。情報に疎い私は最近になって知り驚きました。原因については様々な推察がされているみたいですが、価格高騰への第一歩と考えられているのが、2003年から放送が開始された「ゲームセンターCX」と言われている、とか。
同番組はリアルタイマーのレトロゲーム熱再燃に一役買うに留まらず、若い世代のレトロゲームファン獲得にも大きく貢献しました。
番組に影響を受けたであろうレトロゲーム実況動画がネット上に登場し始め、さらにはYouTubeやニコニコ動画など動画サイトの登場により、ゲーム実況動画の全盛時代が到来したこともレトロゲーム需要拡大に繋がった、とか？
ただ、それだけがレトゲ価格上昇の原因とは断定できないみたいです。事実、GCCXが話題となっていた2010年頃に私は大阪日本橋でレトゲを時々購入していましたが、若干の値上がりを感じたものの高騰とは程遠い印象です。
古い国産PCやメガドライブなどレトロゲームは、近所のショップで一律280円～500円とゴミのような扱いで処分されていたことがありました。30本ほどまとめて抱えてレジに持っていき、店員に嫌な顔をされたことも度々ありました（苦笑）。
それが今では全体的に高額化が進んでいる。かつて、皆が価値のない物として処分していた物が、今では高額取引されている。最近、手持ちのレトロゲームを多く処分しましたが、どれも購入価格の数倍で売れた為に不安すら覚えました。
ただ、購入者の多くが海外の代理入札業者でした。
価格高騰の大きな要因となった理由、それは海外市場の需要拡大と、金に糸目をつけない海外コレクターたちの爆買いが挙げられるみたいです。海外でメイド・イン・ジャパンのレトロゲームが需要増となった理由は不明ですが、AVGNなどコレクターの動画が影響しているかもしれません。
2010年頃から、日本橋のゲームショップでレトロゲームを購入する外国人の姿を頻繁に目撃するようになりました。これにより海外流出が止まらず、レトロゲームの国内在庫が激減した結果の高騰という説もありますが、データなど根拠が存在する訳ではない為、実際のところは不明です。
海外コレクターはさすが経済力から何からレベルが違う。販売側も徐々に海外コレクター向けの価格設定を意識し始め、中でも海外で高い人気を誇るファミコン、スーパーファミコン、メガドライブのソフトが販売店側の意図的な相場操縦で値上がりし始めたのではないか、という説もあるみたいですね。
で、ここからようやく本題ですが、皆様はレトロゲームの保管をどうしているのでしょうか。
梅雨シーズンから夏場にかけて、日本は（北海道を除き）ほぼ毎日、湿度70%～80%を超えてきます。棚に丁寧に並べても湿気からは逃れられません。とは言え、ゲーム保管の為に除湿器やエアコン除湿機能を24時間フル稼働させている人はさすがにいないでしょう。
長年、湿気や日光、屋内照明と言った光子に晒されたレトロゲームの中には、状態が明らかに劣化している物も少なくありません。例え新品未開封品でもシュリンクなしの紙箱を普通に保管していると、劣化が徐々に進んでいくものでございます。
これは新品未開封品として随分と前に私が購入した、データイースト「サンタクロースの宝箱」です。当方ファミコン本体を所有しておりませんが、クリスマス大好き野郎の為、クリスマスグッズとして購入しました。
新品・未開封品として購入したものの状態は御覧の通り。長い間、押し入れか倉庫で放置されていたのでしょう。紙箱は湿気を吸いヨレて波打ち、さらに油脂が原因のシミが目立ちます。せっかくの素敵なパッケージが・・・。
よく見ると封印シールが切られた形跡が・・・本当に未開封品かな？
追記：付属物も不足しており明らかに開封品、しかも欠品ありでした。騙された😱
追記：腹が立ったので、フリマアプリで未開封品として出品されていたものを再度購入。箱の状態は経年劣化による汚れがやや目立つものの、目立つシミなども無く中古品として考えると良品かと。
今度こそ未開封品だ！やったぜ！部屋に飾っておこう。
・・・と、このように湿気や光に晒されてきたゲームのパッケージ類はダメージを負っていることが多いです。湿気大国の日本は、ゲームに限らず古いものを保管するには不向きな条件が揃い過ぎています。欧州の気候が羨ましい。
ゲームを遊ぶだけではなく収集することが好きな方は、自身のコレクションを如何に綺麗に保管するか、様々な対策を考えていると思います。高額化が進む今、その辺には特に気を遣われているのではないでしょうか。レトロゲームコレクターの第一人者コアラさんも保管について言及されていました。
私が尊敬しているPC8801系を中心としたコレクターの方は、カメラフィルムを保管する防湿庫に入れているとのこと。
某ファミコン芸人などは真逆で、大量のゲームを部屋、キッチン、トイレにまで山積みにして放置してぞんざいに扱っており、ゲーム好きという印象はありません。病的な収集癖か買い物依存ではないかと。あれでは状態の劣化が間違いなく進行していることでしょう。
どの保管方法がベストか分かりませんが・・・今回は、私なりの保管方法を紹介したいと思います。私はゲーマーをほぼ引退している為、絶賛処分中により所有する数は少ないです。では、参りましょう。
新品・中古に関わらず購入したら、ゲームディスクやカートリッジ、説明書など中身を全て取り出し、PCソフトやメガドライブなどハードケースのパッケージはIPA等のアルコール液を含ませたガーゼで一度軽く消毒します。紙箱は下手に消毒すると色落ちしそうな為、基本的に表面をティッシュで軽く拭くくらいで何もしません。
乾かしたらパッケージをOPPフィルムでしっかり包み、シリカゲルを入れてから中の空気を抜いてOPPテープで密封状態にします。OPPにこだわる理由は防湿性に優れている為です。昔からこのやり方です。
このように、PCゲームの大きなパッケージも大型のOPPフィルムで密封しております。保護せず放置していたゲームは案の定、劣化していました。シリカゲルとOPPは保存効果があると思われます。
メガドライブのソフトたちも密封されています。そうです、私は元メガドライバーです。
そして密封状態で引き出しの中に入れております。中に入れておくことで、日光や室内のLEDライトが発する光子に晒されることを防ぐのが目的です。光も粒子であり物質です。外に出しておくと時間経過と共に箱にダメージを与え色褪せを招きます。ご注意あれ。
保護していないソフトは、フリマアプリで購入したMD版「ドラゴンズレア」（タイトーが開発して完成させたものの発売されずお蔵入りになったもの。ロムが流出してコピー品が中華等で売られていた）など。商品化されていない海賊版だから売却不可能だし、元々が粗悪な中華品だから劣化しても別にいいかと🙄
ゲームディスクやカートリッジは冷凍庫を利用して保管しています。冷凍庫や冷蔵庫はパッキンでしっかり密封される為、防湿庫と同じく湿気から守ることが出来ると判断して利用しております。中にはシリカゲルも何個か入れております。
説明書は、ゲームごとにOPP袋に入れております。メガドライブの説明書はまとめて突っ込んでいるというガサツさ（苦笑）。こうしておくことで、今のところシミや湿気によるヨレは特に生じておりません。10年以上、状態維持できているので合格ちゃいまっか！？😲
先述した一部の保護していないソフトはダメージがあります。ドラクエ2と3は押し入れに入れていた為、箱がボロボロになっておりました。昔は箱説付き中古が500円くらいだったと思いますが、今は3000円くらいかな？きちんと保管しておくべきだったか。
如何だったでしょうか。ゲームに限らず、あらゆる物は外気に触れた時点で劣化が始まっていくもの。劣化をどれだけ遅らせることが出来るか。それに尽力することは、今や芸術作品として価値を高めつつあるレトロゲームを所有する者に課せられた使命ではないでしょうか。大袈裟か🤪
おまけ
せっかくだし、珍しいゲームソフトを見ていく？😳
PC8801mkII版「マリオブラザーズ スペシャル」。テープ版とフロッピー版があります。購入時から汚れアリ。ハドソン独自の黄色いフロッピーがいい味をしております。ゲームは普通にマリオブラザーズ。スーパーマリオと違い、1画面でゲームが進行する本作の移植度は良いと思います。それでもファミコン版が一番ですけどねい。
クリスタルソフト「バビロン」。クリスタルソフトは個人的に「夢幻の心臓」「ファンタジアン」「クリムゾン」をよくプレイしました。大好きなメーカーの1つでしたね。買取がじわじわと上がっているけど、これは面白くないで😧
同じくクリスタルソフト「夢幻の心臓2」夢幻シリーズは本作から入りました。国産RPGの始祖はドラクエと思っている人、そう、そこのキミ！ドラクエタイプの国産RPGを日本で初めて作ったのはクリスタルソフトであり、夢幻の心臓でっせー。
同じくクリスタルソフト「アドヴァンスド・ファンタジアン」。こちらは箱無しでディスクと説明書だけ。キャラ作成とセーブにブランクディスクが必須ですぜ。ファンタジアンシリーズも名作とは言わないけど良作です。
マイクロキャビン「うる星やつら」。ももこのキャラ差し替え移植でうる星やつら要素が全く無いファミコン版と違い、本作は原作の世界観をしっかり活かした良作ADVです。ファンなら楽しめるでしょう。
マイクロキャビンは「ホワッツマイケル」「めぞん一刻」「きまぐれオレンジロード」など、当時の流行アニメをいち早くゲーム化するメーカーでしたね。「サーク」以降、オリジナルのARPGなどを制作するようになったイメージかな。
PC-8801版「エレベーターアクション」。このゲームはシンプルで大好きです。個人的にゲームは長時間プレイするよりも、息抜き程度に1プレイ15分～30分くらいで終わるくらいが丁度良いですよね。アーケードの移植作は私にぴったりです。
このPC88版はなかなかの移植度。エミュ動画がツベに投稿されていますが、それを見る限りもっさりした動きです。しかし、実機で動かすとスムーズだったりします。クロックの設定の違いかな？
ネットで検索してもオークションの画像しか出てこない「スラコラさっちゃん」。テープメディアの為、動かせません。フロッピー版も存在します。どちらも駿河屋では情報が出てきません。PSKのほうがパッケデザインにセンスを感じさせますな。
さっちゃんの開発が西武百貨店ってのが驚きなんだけど・・・デパートなにしとんねん🤣
PC8801版「キャッスルエクセレント」。パズルアクションでファミコンにも移植された名作。ご存じの方も多いでしょう。個人的には「フラッピー」のほうが好きですなあ。
ゲーマーなら誰もが知っている「ウィザードリィ」の5作目。前作で虚弱なワードナとなり勇者を倒す旅に出るなど迷走し始め、本作になると人気にも完全に陰りが見えたような。ファミコン版の1作目が一番面白かったなあ。本作は殆どプレイしておりません。
何故か激レア化したPC88VA版「かわいそう物語」。PC88SR版は流通量が多かったことや、パッケージデザインがイマイチなこともあり安いのですが、88VA版はたいにゃんがどーんと描かれたパッケデザインだけに人気。さらに88VA専用という時点で数が少なかった為に激レア化した？駿河屋価格30000円超。
海外で人気のあったホビーパソコン・コモドール64版「BC’s Quest for Tires & B.C. II Grog’s Revenge」。アメリカの有名な漫画家ジョニー・ハートの代表作「B.C.」のゲーム化。1作目と2作目を1つにまとめたお買い得版。説明書もちゃんと2冊入ってます。コモドール持っていない。
コモドール64版「ポールポジション」。ナムコの有名なアーケードレースゲームの移植。複数のバージョンがあるらしく、パッケージだけでも何種類も出ているみたいです。当時ナムコの傘下だったATARIが製作してUS GOLDなど各メーカーがそれぞれの機種に出したみたいですが、ちょっとよく分からないですね。
多分、ここで紹介する中では最もレアかもしれないのが、APPLE II版「PAC-MAN」です。APPLE PCのゲームは箱がバカでかいのが特徴ですが、それにしても大きくて収納に苦労するのですが・・・。
有名すぎるナムコのパックマンですが、海外ではこのオリジナル版よりも、改造されて出回った「Ms. PAC-MAN」のほうが大ヒットしたみたいですね。その為、APPLE II版も検索して出てくるのはミズ・パックマンばかり。パックマンは画像もパッケしか出てきません。eBayでも箱説なしの裸ディスクしか出品されていないので、ここで公開してみましょう。
貴重なAPPLE II版パックマンの説明書と保証書類。完品。APPLE II版の内容物を掲載しているのは、ネットの世界広しと言えども恐らく当ブログだけ！（多分）
説明書の中。ジョイスティックにも対応していたんですね。ATARI仕様のメガドライブ用コントローラーでも遊べるかな？
とりあえず、たまには動作確認だけでもしておかないと。
動作確認OK! 遊びたいけど時間がない。エレベーターアクションなら10分くらいで終わるというかループですけどね。
モンスターのグラフィックが完全に「クリムゾン」のそれ！😅
高橋留美子のデザインは今見ても古さをあまり感じさせないところが凄い。新しくリメイクされたうる星の出来はどうだったのでしょう。
以上です、おわり
