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TEARS FOR FEARS - The Seeds of Love World Tour 1990

ルール・ザ・ワールドのリバイバル・ヒットを受け、今、ティアーズ・フォー・フィアーズが再評価され始めている!そんな彼らの最盛期、1990年のツアー音源を掲載した記事を再アップします!😆

 

 

 


1980年代に一世を風靡し、現在も海外で根強い人気を誇るティアーズ・フォー・フィアーズの1990年"The Seeds of Love"ツアーの音源を収録したブートやアングラ音源を紹介します。

1985年4月からスタートした大規模な"Songs From the Big Chair World Tour"を終えたバンドは、1986年の後半から次のアルバム製作へと取り掛かった。最初に作られた曲は"Badman's Song"で、85年のツアーに参加していた女性ピアニストのニッキー・ホランドとローランド・オーザバルがアイデアを出し、ツアー中に原型が出来上がったらしい。

ニッキーによると、複数回に渡りデモが録音されたそうで、デヴィッド・バスコムは「この曲は多くのアレンジを経て最終バージョンが出来上がった為、原曲とは全く別物になった」とコメントしている。

1987年初頭にはアルバム用の曲がほぼ完成した。一度はレコーディングに入るが、カート・スミスとローランド・オーザバルは結果に満足できず、レコーディングを中止したという。この辺りから新曲の方向性を巡って、カート、ローランド、クリス・ヒューズの対立が激しくなったようだ。

2人は、TFFの音楽性に行き詰まりを感じていたらしい。サンプリングマシンやシーケンサーなどを駆使して音楽を作ることにウンザリしており、新たな音楽性を求めて模索していた。

「僕たちのような80年代初期から活動してきたエレクトロ・ポップ・バンドがやってきたことは、もう不毛になりつつあったんだ。もっと違う物・・・生き生きとした、心が温まるようなものを作りたかった。それはサンプリングマシンではなく、本物の優れたミュージシャンによる手で演奏しなければ手に入れられないんだ」(カート・スミス)

1987年後半、音楽的相違から、イアン・スタンリーと、プロデューサーのクリス・ヒューズがバンドを去った。デヴィッド・バスコムの案で、バンドだけでアルバムの製作を続行していく。




同じ頃、カートとローランドは、ピアニストでヴォーカリストのオリータ・アダムスに会いにアメリカに飛んだ。1985年、バンドが北米ツアーをしていた時、ミズーリ州カンザス・シティのホテルのバーでオリータがピアノを演奏し歌っていた所を、カートとローランドが偶然目にしたらしい。

「私が演奏している所を、彼らはずっと座って聴き、静かに泣いていた。演奏を終えて私はすぐに下がったから、彼らとは何も言葉を交わさなかった。それから2年後、彼らは私の居場所を探して会いにきた。私の音楽が、彼らには特別な意味があるものだとは思ってもいなかった」(オリータ)

カートとローランドは、彼女の人間味あふれる歌声を聴き深く感銘を受けたそうだ。オリータを探し出した2人は、アルバムへの参加を要請した。その際、バンドが契約していたフォンタナ・レコードとのソロ契約を約束した。オリータは快諾し、TFFのアルバム製作に加わることになった。

バンドはデモ・テープのアレンジを重ね、1988年初頭からレコーディングがスタート。カート・スミスが望んでいた通り、優れた実力を持つ有名ミュージシャンたちが多く参加。ジャム・セッションの要領でレコーディングは進み、開始から実に1年半が経過した1989年7月、アルバムがようやく完成した。

レコーディングを破棄して作り直し、スターミュージシャンたちをゲストに招き、リリースまでに長期の時間を要したことにより、アルバム製作にかかった費用は最終的に100万ポンドほどと言われている。

アルバム制作中、カートとローランドは日増しに緊張が高まっていたようだ。ストレスから、元々繊細だったローランドは気難しくなり、カートは82年に結婚した妻のリンダと離婚することになった。ローランドはレコーディング終了後「2人にとって最後のアルバムになるかもしれない」とコメントした。

 


1989年9月、アルバム「The Seeds of Love」リリース。米ビルボード8位、英1位を記録。アルバムに先駆けて8月にリリースされたシングル"Sowing the Seeds of Love"はビルボートHOT100で2位、英シングルチャート5位を記録し健在ぶりを示した。

このツアーからのブートレグ盤は、サンタバーバラ公演を撮影したオフィシャル・ビデオの音源を落としたCDと、FM放送された2月12日クリーヴランド公演が定番として何枚かリリースされている。それ以外のブート盤は見たことがありません。

では、アングラ音源を中心にツアー音源を紹介していきます。

 

 

Band Member
Roland Orzabal : gt, vo
Curt Smith : b, vo
Oleta Adams : piano, vo
Adele Bertei : backing vo
Jim Copely : dr
Andy Davis : key
William Gregory : sax
Biti "Dorothea" Strauchn : backing vo
Carol Steele : per
Neil Taylor : gt

 

 

 

 


CLEVELAND 1990 COMPLETE (UXBRIDGE 614)

DISC 1
1. Women of Ireland (Taped Intro Instrumental by Andy Davis ex The Korgis)
2. I Believe
3. Head Over Heels
    - Broken
4. Change
5. Pale Shelter
6. Woman in Chains
7. Advice for the Young at Heart
8. Mad World
9. The Working Hour
10. Famous Last Words
       - When the Saints Go Marching In

DISC 2
1. I've Got to Sing My Song
2. Badman's Song
3. Band Introduction
4. Sowing the Seeds of Love
5. All You Need Is Love
6. Everybody Wants to Rule the World
7. Year of the Knife
8. Shout


UXBRIDGEレーベル、2CDR。1990年2月12日オハイオ州クリーヴランド・パブリックホール公演をサウンドボード録音で収録。北米ツアー10公演目。FM放送音源で、以前から出回っている定番音源。

インフォによると原盤から直接デジタル化した音源で、エアチェック音源を使用している既発盤を上回る高音質とのこと。また、既発盤よりも収録時間が長く完全収録している、らしい。

確かに既発(ネット上にも出回っているFMエアチェックテープ)よりも収録時間が長い。ただ、収録曲は既発盤と違いはなく、曲間のMCや歓声がノーカットという程度。音質はインフォ通り完璧。オフィシャル盤として出せるレベルだろう。

電子楽器を前面に出したエレポップ・サウンドから、ビートルズにも通ずる正統派ブルティッシュ・ロック・バンドへと変貌を遂げたことにより、1985年のツアーで聴かれた演奏とは受ける印象が大きく異なる。賛否あるかもしれないが、新たな音楽作りに挑み道を切り開いた2人の挑戦は大成功と見るべきだ。また、オリータのヴォーカルが、バンドに新しい風を吹き込んでいる。

そのオリータが作詞作曲し自身が歌う"I've Got to Sing My Song"は、ライブにおける聴き所の1つだ。オリータのソロアルバム「Circle Of One」に収録される曲で、この時点ではまだ未発表だった。

そして、ビートルズ・カヴァー"All You Need Is Love"が、新生TFFサウンドに見事に融合している。この前に演奏される新曲"Sowing the Seeds of Love"自体がビートルズのオマージュといわれる位にビートルズサウンドを踏襲した曲であり、この流れを聴くと、2人が如何に脱エレポップ路線を模索していたか、よく分かると思う。

演奏内容も音質も文句なしの音源だが、ギターがやや強調されたミックスは賛否あるかもしれない。演奏は素晴らしいので、ファンなら是非手に入れて欲しいブート。

 

 


CD盤面、ジャケット裏面。それでは音源をどうぞ!

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


CLEVELAND 1990 SOUNDBOARD MASTER (Wardour-450)

DISC 1
1. Women of Ireland (Taped Intro Instrumental by Andy Davis ex The Korgis)
2. I Believe
3. Head Over Heels
    - Broken
4. Change
5. Pale Shelter
6. Woman in Chains
7. Advice for the Young at Heart
8. Mad World
9. The Working Hour
10. Famous Last Words
       - When the Saints Go Marching In

DISC 2
1. I've Got to Sing My Song
2. Badman's Song
3. Band Introduction
4. Sowing the Seeds of Love
5. All You Need Is Love
6. Everybody Wants to Rule the World
7. Year of the Knife
8. Shout


Wardourレーベル、プレス盤2CD。またまたクリーヴランドのブートが登場。今度は「プレFMの放送原盤そのものから最新デジタル機材を駆使してCD化したもの」だそうです。上の「COMPLETE」と同じように聴こえますがね。

 


SBD MASTER 1



SBD MASTER 2

 

 

 

 

 

 


EAST RUTHEFORD 1990. 2. 18

DISC 1
1. Women of Ireland (Taped Intro Instrumental by Andy Davis ex The Korgis)
2. I Believe
3. Head Over Heels
    - Broken
4. Change
5. Pale Shelter
6. Woman in Chains
7. Advice for the Young at Heart
8. Mad World
9. The Working Hour

DISC 2
1. Famous Last Words
       - When the Saints Go Marching In
2. I've Got to Sing My Song
3. Badman's Song
4. Band Introduction
5. Sowing the Seeds of Love
6. All You Need Is Love
7. Everybody Wants to Rule the World
8. Year of the Knife
9. Shout
10. The Hurting


未ブート化音源。1990年2月18日ニュージャージー州イーストラザフォード・メドウランズ・ブレンダン・バーン・アリーナ公演をサウンドボード録音で収録。クリーヴランド公演に負けず劣らずの高音質。恐らく放送用音源だろう。

クリーヴランド公演と演奏内容は酷似している。この日は"When the Saints Go Marching In"(邦題:聖者が街にやってくる)をバンド全体で演奏している。この日は"The Hurting"を演奏しているのが大きな違いだろう。残念ながら後半でフェードアウトしてしまうが・・・それでは音源をどうぞ!

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


LOS ANGELES 1990. 2. 22

DISC 1
1. Women of Ireland (Taped Intro Instrumental by Andy Davis ex The Korgis)
2. I Believe
3. Head Over Heels
    - Broken
4. Change
5. Pale Shelter
6. Woman in Chains
7. Advice for the Young at Heart
8. Mad World
9. The Working Hour
10. Famous Last Words
       - When the Saints Go Marching In

DISC 2
1. I've Got to Sing My Song
2. Badman's Song
3. Band Introduction
4. Sowing the Seeds of Love
5. All You Need Is Love
6. Everybody Wants to Rule the World
7. Year of the Knife
8. Shout


未ブート化音源。1990年2月22日ロサンゼルス・LAフォーラム公演をオーディエンス録音で収録。TFFには珍しいAUD音源。

世代を重ねたテープか音はあまり良くない。また、ピッチが高い。後半になるとピッチの変化が目まぐるしく起こる。"All You Need Is Love"途中からは音質が2ランクほど落ちる。アップした音源は、当方でピッチを極力正常にしている。終盤の酷い状態はさすがに素人の私ではどうしようもありませんでした。では、音源をどうぞ。

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


BORDEAUX 1990. 4. 1

DISC 1
1. Women of Ireland (Taped Intro Instrumental by Andy Davis ex The Korgis)
2. I Believe
3. Head Over Heels
    - Broken
4. Change
5. Pale Shelter
6. Woman in Chains
7. Advice for the Young at Heart
8. Mad World
9. The Working Hour
10. Famous Last Words
       - When the Saints Go Marching In
11. I've Got to Sing My Song

DISC 2
1. Badman's Song
2. Band Introduction
3. Sowing the Seeds of Love
4. All You Need Is Love
5. Everybody Wants to Rule the World
6. Shout


未ブート化音源。1990年4月1日フランス・ボルドー公演をオーディエンス録音で収録。高音質ステレオAUD。

3月1日から始まった2度目のヨーロッパツアー中盤のライブ。会場はPatinoire Meriadeckというアイスホッケー場らしい。AUD音源の特徴である周囲の客の声を程よく拾っている。会場の熱気がダイレクトに伝わる音で、演奏のテンションも高く、AUD音源が好きな人は十分に愉しめる。

オリータのソロ"I've Got to Sing My Song"では、歌い終えたオリータへ会場全体から大きな拍手と声援が聴こえてくる。オリータが如何にバンドに大きく貢献しているか、この大歓声がそれを物語っている。

"Year of the Knife"が欠落しており未収録だが、音質、演奏内容ともにブート化されてもおかしくないレベルだ。それでは音源をどうぞ。

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


KEBWORTH FESTIVAL 1990

1. Introduction by Jim Ladd
2. Head Over Heels
3. Change
4. Pale Shelter
5. Roland Talks
6. Sowing The Seeds Of Love
7. All You Need Is Love coda
8. Curt talks
9. Advice For The Young At Heart
10. I've Got To Sing My Song
11. Badman's Song
12. Curt Introduces the Band
13. Everybody Wants to Rule the World
14. Curt Interviews


未ブート化音源。1990年6月30日ネブワースフェス出演時のライブをサウンドボード録音で収録。「ネブワース1990」は、CD、DVDがオフィシャル・リリースされているが、トップバッターだったTFFは3曲しか収録されていない。

本音源は、米国のFM放送局"WESTWOOD ONE"で放送された音源のエアチェックらしい。OPのDJは有名なジム・ラッド。途切れる箇所やノイズが入る箇所があるが、全曲を放送しており貴重だ。このラインナップのラスト・ライブであり、締めに相応しい素晴らしい演奏だ。それでは音源をどうぞ。

 


PART. 1



PART. 2

 

 

 


Omake🙄

 


LIVE FROM SANTA BARBARA SPECIAL GUEST OLETA ADAMS (IMA 104152)

1. Believe
2. Head Over Heels
3. Woman In Chains
4. Year Of The Knife
5. Advice For The Young At Heart
6. Sowing The Seeds Of Love
7. Bad Man's Song
8. Famous Last Words
9. When The Saints Go Marching In
10. I've Got To Sing My Song
11. Shout
12. Everybody Wants To Rule The World


2度目の北米ツアーから、5月26日カリフォルニア州サンタバーバラ公演を収録したオフィシャル映像ソフト「GOING TO CALIFORNIA」。2005年にはDVD化されたが、あっという間に廃盤となり、DVDは現在、中古市場でプレミアソフトと化しているようだ。

2009年12月、ローランドが監修し「GOING TO CALIFORNIA」を再編集したオフィシャルDVDとCDがそれぞれヨーロッパで発売となった。それが「LIVE FROM SANTA BARBARA」である。

「GOING TO CALIFORNIA」はコンサート通りの収録だが、2009年リリース「LIVE FROM SANTA BARBARA」では、DVD/CDどちらも曲順が一部入れ替えられており、さらに一部の曲はカットされてしまった。そのような内容の本作だが、すぐに廃盤となり、DVD/CDのどちらも現在は高額で取引されているようだ。

「LIVE FROM SANTA BARBARA」DVD/CDはヨーロッパのみでリリースとなった。その為、本作の存在自体を知らない日本のファンは多いかもしれない。ここでは、こっそりとCDのほうをアップいたしましょう🤫

 


part. 1



part. 2

 

 

 

Omake pt.2🙄

 


AND 4 YEARS PASSED…T.F.F. (SND-10)

日本フォノグラム製、プレス盤であるこのCDは、関係者に配布された物かプロモ盤かよく分からないが、1989年「The Seeds of Love」リリース直前にカート・スミスがアメリカの有名なラジオ番組"In The Studio"に出演した時の音源を収録している。

中身は"In The Studio"のラジオショーディスクと同じ内容。当然全て英語によるインタビューで、音楽評論家・大森庸雄氏の語りが時々入る日本独自の編集が加えられている。TFFはラジオショーの音源が全く出回っていない為、貴重な音源ではないだろうか。




曲目は御覧の通り。Mr.T. OMORIとなっているトラックは大森氏独自の語りが入る。トラック31-32は通常のスタジオテイクが収録されており、これはラジオショー本編とは別に日本フォノグラムが独自に入れたトラックだろう。

インタビューでは、カートが非常に興味深い発言を行っている。日本語訳のライナーがついており、それを読みながら聞くことで英語の勉強にもなる、かも?

 


part.1

 


part.2

 

 

 





中々興味深い話が聴ける。かつてファンだった方も、今一度バンドの音楽を思い出してアルバムを引っ張り出してみては?ルール・ザ・ワールドの歌詞は、今の世界情勢をそのまま表したようで改めて聴くと大変印象に残る。時が経過しても不朽の名曲はいつまでも色褪せない。

 


ディスク盤面。

 

 

ツアーを終えたバンドは、6月30日に12万人を集めたネブワース・フェスティバルに出演。フェスの共同プロデューサーは、TFFのマネージャーを務めるポール・キングである。キングは、この直後に多額の負債を抱えて破産を宣言する。これが、カートとローランドが袂を分かつ原因の1つとなった。




ポール・キングは、英国の音楽プロモーター兼マネージャーとして知られるほか、数々の企業を設立し取締役を務めてきた人物らしい。1977年、キングは音楽プロモーション会社アウトローエージェンシーを設立。マネージメント契約したミュージシャンは、レベル42、ポリス、ジュリアン・コープダイアー・ストレイツ、そしてデビュー間もないTFFなどがいた。

アウトローエージェンシーは、マネージメント契約していたバンドの大成功だけではなく、シャーデーセックス・ピストルズストラングラーズ、トム・ロビンソンなどの米国ツアーのプロモートも行い、多額の収益を得ているはずであった。

だが、TFFがアルバム「The Seeds of Love」を製作している時点で、アウトローは既に深刻な財政難に陥っていたようだ。取引銀行のナショナル・ウエストミンスター銀行(NatWEST)から多額の借金をしていることが、この時点で一部マスコミに報じられている。

TFFのアルバムリリース延期が決定された頃、アウトローはNatWESTから借り入れていた35万ポンドの返済を要求されて困窮する。キングの財務管理が非常にいい加減であることに気付いたローランドは懸念を抱き、アウトローとのマネージメント契約を解除したい旨をカートに相談した。だが、カートはアウトローとの関係解消に消極的であった。

アルバム「The Seeds of Love」リリース後、TFFは、プロモーションとアウトローの借金返済の為にツアーを行った。しかし、直後にキングは100万ポンドの負債を抱えて破産を宣言、アウトローは倒産となった。


その後、キングは通信会社のマーリンテレコムを設立するも、こちらも事業は成功しなかったようだ。キングはその後、ロンドンにあるサーロー・グローバルなる小さな融資会社に接近した。

サーロー社と結託したキングは、二日酔いを解消する治療薬の研究・開発を行う南アフリカの"Soba International"という企業に、Soba社の株式譲渡と引き換えに融資を持ち掛け、キング主導でSoba社の事業統合を行った。

キングは悪質な手法で金を集め始める。キングは、キングとケネス・モール博士という人物が代表を務めるSoba社と、サーロー社が管理するSoba社の、2つのSoba社を設立。Soba社の二日酔い治療薬の開発を大々的に宣伝し、投資家たちからの投資を募った。

投資家たちが購入した株はサーロー側のSoba社から発行されるが、株式の収益は全てキング管理のSoba社の口座に入金されるギミックをキングは編み出した。僅か半年間で、キングは46万ポンドを手にすることに成功した。

しかし、治療薬の開発は全く進まず、キングの言動を疑わしく思った投資家たちは、キングを相手取り訴訟を起こした。調査が行われ、投資家たちが払った費用のうち、モール博士に80,000ポンド、キングに35,000ポンドが渡っており、残りは使途不明という調査結果が出た。

裁判が進み判決が下される直前、キングはまたしても破産を宣言。直前にゼトックスという有限会社を設立した。再び投資家たちを唆し資金を集めようとしたが、その前に詐欺罪で懲役3年半という判決が下った。さらに10年間、あらゆる企業の取締役になることを禁止する判決も言い渡された。

キングは釈放後、別のビジネスを展開していたが、2010年頃から再び音楽業界に携わるようになったようだ。ロッド・スチュワートトム・ジョーンズシンプリー・レッドなどのプロモートを手掛けていたが、2015年、癌により63歳で他界した。

以上、TFF1990年ツアーの音源紹介でした。