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STARSHIP - Live USA & TOKYO 1985-1986 Bootleg File


ジェファーソン・スターシップからバンド名を変更した直後のスターシップのアングラ音源やブートレグ盤を軽く紹介するぜ。


60年代後半を代表するサンフランシスコ発サイケデリック・バンドの1つ、ジェファーソン・エアプレインが1973年後半に活動を停止した。

オリジナル・メンバーのポール・カントナーは、妻でエアプレインのメンバーでもあるグレイス・スリック、サンフランシスコのサイケバンド・クイックシルヴァー・メッセンジャー・サービスのデヴィッド・フライバーグらと、1974年1月からジェファーソン・スターシップとして新たに活動を始める。

バンド名は、1970年にカントナーがグレイスやジェリー・ガルシア、デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュらとレコーディング、ポール・カントナー&スターシップ名義でリリースされたアルバム「Blows Against The Empire」から流用することになった。ジェファーソンが付いた理由は、エアプレインとの関係性を持たせたほうが良いというマネージャーのビル・トンプソンによる提案があったからだという。

バンドは幾度かのメンバーチェンジを経ながら、10年間で9枚のヒットシングルと8枚のヒットアルバムを送り出した。しかし、次第にレコード会社からジャーニーのようなサウンドを作るよう求められると、音楽的相違を理由にポール・カントナーがバンドを脱退してしまう。

カントナーは、アルバム「Nuclear Furniture」製作時点で、バンドが商業路線に舵を切ったことに強い不満を感じていたらしい。「僕らがポップソングを書くだなんて最低だといつも感じていた。ありきたりなバンドになり、やり甲斐も感じないし、バンドを誇らしいとも何とも思わなくなった」と語りバンドを去った。


ジェファーソン・スターシップ脱退後の1984年10月、カントナーはジェファーソン・スターシップを相手にバンド名の使用中止を求めて訴訟を起こした。1985年3月に法廷外の話し合いで和解が成立。Jefferson Airplane Inc.に属するメンバーを除き、双方とも「ジェファーソン」「エアプレイン」の名を使わないという形で決着した。

こうしてジェファーソン・スターシップはスターシップと名を改めることになった。カントナーと旧知の間柄であるデヴィッド・フライバーグはバンドに残留したが、スタジオではピーター・ウルフ(Jガイルズ・バンドのVoではなく、フランク・ザッパのバンドでキーボードを弾いていた人)がキーボードを担当した為、強い不満を持ちバンドと対立した。これによりフライバーグは解雇されてしまう。

1985年9月。スターシップとなって初のアルバム「フープラ」(Knee Deep in the Hoopla)がリリース。シングルカットされた「シスコはロック・シティ」(We Built This City)と「セーラ」(Sara)は両方ともビルボード1位を記録し、アルバムは7位と大成功を収めた。ちなみに両方の作曲者クレジットにピーター・ウルフが入っている。

大ヒットを収めた「シスコはロック・シティ」だが、ローリング・ストーン誌の「1980年代最悪の曲トップ10」読者投票に選ばれ、ニューヨークの男性ファッション誌GQマガジンは「人類史上、最も嫌われている曲」の1つとして、この曲を選出した。


グレイス・スリック在籍時のジェファーソンズの血が残ったスターシップのブートレグ盤は、実際に目にしたことがあるのは2枚しかない。どちらも1986年のライブを収録したものでCDRメディアである。プレス盤のブートは恐らく存在していない。

アングラ界隈でもグレイス・スリック在籍時の音源は数が少ないが、再結成後の2000年代以降の音源はdimezone等でよく見かけるようになった。それでは少しだが音源を紹介しましょう。

 

 

 


SANTA CLARA 1985. 6. 22

1. Stranger
2. Find your way Back
3. Sorry Me Sorry You
4. Be my Lady
5. Jane
6. Lay it on the Line
7. No Way Out
8. White Rabbit
9. Can't Find Love
10. Guitar solo
11. Save Your Love


未ブート化音源。1985年6月22日カリフォルニア州サンタクララ公演をオーディエンス録音で収録。Dimeから登場した音源で録音者自ら投稿。マスターテープからのファイル化。

"Marriott's Great America"(現在は"California's Great America"という名前に変わっている)という大型遊園地内にある広場公園で行われたコンサート。投稿者によると、このコンサートは無料で観られるものと勘違いをしていたらしい。開始時間である20時直前に友人と公園に向かうと入場は有料と表示があった。

チケットを入手する為、公園の管理者と販売場所を探したが最終的には無料で入れてもらえることになったそうだ。しかし、既にコンサートが始まっており、録音装置を回した頃には1曲目"Somebody to Love"の演奏が終わっていた、とのこと。

3か月後にリリースされる「Knee Deep in the Hoopla」からの曲はまだ披露されておらず、ジェファーソン・エアプレイン&スターシップの曲で占められている。では、音源をどうぞ!

 


part.1



part.2

 

 

 

 

 

 



TOKYO 1986 2nd NIGHT (Uxbridge 1330)

DISC 1
1. We Built This City
2. Somebody To Love
3. Find Your Way Back
4. Private Room
5. Stranger
6. Be My Lady
7. Rock Myself To Sleep
8. Sara
9. Tomorrow Doesn't Matter Tonight
10. Love Rusts
11. Save Your Love

DISC 2
1. Keyboard solo / White Rabbit
2. Layin' It On The Line
3. We Built This City (reprise)
4. No Way Out
5. Jane


Uxbridgeレーベル2CDR。1986年4月12日中野サンプラザ公演をオーディエンス録音で収録。ついにスターシップの初来日公演がブートとして登場した。これが出るならTEARS FOR FEARSの85年初来日公演も是非お願いしたい🙏


4月8日 中野サンプラザ

4月9日 名古屋市公会堂
4月10日 大阪厚生年金会館
4月12日 中野サンプラザ
4月14日 NHKホール
4月16日 東京厚生年金会館


スターシップの初来日公演はこのような日程だったらしい。観客の熱狂ぶりが凄まじく・・・というか録音者の近くにいると思われる外国人(アメリカ人かな?)らしき人たちの騒ぎっぷりが最後まで煩いので、オーディエンスノイズが苦手な人は少々つらい音源かもしれない。しかしながら音自体はよく録れており、上質なステレオAUD音源と言えるだろう。

演奏も素晴らしい。AORと位置付けされることが多いスターシップだが、ジェファーソンズ時代の曲などは実にハードな演奏だ。ライブで聴くスターシップは、アルバムで聴けるポップさだけではない魅力がたくさん詰まっている。この日の演奏は特に素晴らしいと思う。ファンなら持っておくべきアイテムだろう。では音源をどうぞ。

 


part.1



part.2

 

 

 

 

 

 


SUPERSTAR CONCERT SERIES ver.1

1. We Built This City
2. Somebody To Love
3. Find Your Way Back
4. Private Room
5. Stranger
6. Be My Lady
7. Rock Myself To Sleep
8. Sara
9. Tommorrow Doesnt Matter Tonight
10. Love Runs
11. No Way Out
12. Jane
13. White Rabbit
14. Lay it On The Line
15. We Built This City (reprise)


1986年6月14日テキサス州オースティン公演をサウンドボード録音で収録。FM番組"Westwood One Superstar Concert Series"放送用に収録されたもの。若干ノイジーな音質の為、FMエアチェックと思われる。

"Knee Deep in the Hoopla U.S. Tour"を収録した貴重な音源。この音源はCDRブート黎明期にもブート化(1CDR)されており、2度、実際に目にしたことがあるが購入しなかった。以後、一切見かけることがないままである。かなりチープな作りのブートだったと記憶している。トランスクリプションから落としたものか、FMエアチェックかは分からない。収録時間も分からず、これと同じ音源を使っているのか、下段で紹介する短縮版を使っているのか、その辺りも不明。それでは音源をどうぞ。

 


part.1



part.2

 

 

 

 

 

 


SUPERSTAR CONCERT SERIES ver.2

1. Somebody To Love
2. Find Your Way Back
3. Tommorrow Doesn't Matter Tonight
4. The Beat Patrol
5. Sara
6. White Rabbit
7. Jane
8. Rock Myself To Sleep
9. Lay It On The Line
10. We Built This City


1986年6月14日テキサス公演をサウンドボード録音で収録。FM番組"Westwood One Superstar Concert Series"放送用に収録されたもので、上段と同じものだがこちらは収録曲数が少ない。しかし、上の音源には収録されていない"The Beat Patrol"が収録されている。

さらに"The Beat Patrol"演奏後に、エルヴィン・ビショップのヒット曲"I Fooled Around And Fell In Love"(邦題:愛に狂って)をミッキー・トーマスがアカペラで歌っている。エルヴィンのアルバムでこの曲のヴォーカルを担当したミッキー・トーマスによるファンサービスといった所か。この場面も上の音源ではカットされており、この音源でなければ聴くことが出来ない。

"Sara"は、上の音源ではイントロ部分がフェードイン処理のような形で入っていたのに対し、この音源ではイントロ前のカウントから収録されている。収録曲数は少ないが、こういった細かな部分の違いがあり、この音源も決して無駄な音源ではない。残念ながら音質は僅かに劣る。では音源をどうぞ。

 


superstar concert

 

以上で、グレイス・スリックが在籍していた頃のスターシップの音源紹介は終わり。

 

 

 

おまけ🙄

1988年にグレイス・スリックがバンドを脱退。さらにバンド内でトラブルも発生してメンバーが辞めていく事態となった。1991年、ジェファーソンズ時代からバンドのマネージャーを務めてきたビル・トンプソンがバンドの解散を決定。

しかし、翌年にはミッキー・トーマス主導で再びスターシップの活動を再開させた。その後はライブ活動を中心に現在まで続けているようだ。2012年には来日公演も実現。その時の東京公演の音源を紹介します。

 

 


STARSHIP featuring Mickey Thomas - BILLBOARD LIVE TOKYO 2012. 7. 28

1. Intro
2. Jane
3. No Way Out
4. Sara
5. Nothing's Gonna Stop Us Now
6. Stranger
7. Set The Night To Music
8. White Rabbit
9. Somebody To Love
10. Fooled Around And Fell In Love
11. Loveless Fascination
12. It's Not Enough
13. Find Your Way Back
14. We Built This City
15. Band Introduction & Outro

Mickey Thomas : vo
Stephanie Calvert : vo
Phil Bennett : key
Mark Abrahamian : gt
Uriah Duffy : b
Darrell Verdusco : dr


2012年7月28日ビルボードライブ東京公演をオーディエンス録音で収録。過去の曲で食いつないでいるだけの、もはやジェファーソンズ関係でも何でもないミッキー・トーマスのソロ・プロジェクトと化したスターシップだが、演奏は意外と悪くない。メンバーは誰だかさっぱり分からないが・・・。懐メロ大会と理解して聴くと愉しめるのではないだろうか。

2012年の8月初めにはdimeに登場していた音源で、その音源をMDNAレーベルが「Build Up Tokyo City」(MDNA-12031)というタイトルで即座にCDRブート化している。わざわざ購入するほどの内容ではないと思うので、ここでお楽しみ下さい音源どうぞ。

 


part.1



part.2

 

今度こそおわり🤗