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Cozy Powell - Cozy Tapes Series Bootleg File


コージー・パウエルの流出テープシリーズから作られたブートレグの一部を紹介しよう。

コージーは非常にマメな人物で、ツアー中の日々や演奏の出来について細かく書き記した日記は勿論、これまで行ってきたセッションやデモ、ライブなどもカセットテープに録音して残していた。

コージーの死後、何者かによってそれらのカセットテープの多くが持ち出され、ブートレグとして裏で流通することになる。これらの音源は通称コージーテープと呼ばれた。

そのコージーテープから制作されたブートレグ盤を少しだけ紹介します!既に他の記事でも紹介しているので、ここで紹介するのは僅か3枚でございます。

 

 

 


ALIVE IN STUDIO (LANGLEY-238)

DISC 1
OVER THE TOP DEMOS
Studio demo tracks of cozy's 1979 solo album. Copied from the original cassette (Sony BHF 60) no writing except blue pen mark indicating start of music on side A
1. KILLER
2. SWEET POISON
3. THEME 1 TAKE 1
4. THEME 1 TAKE 2
5. TICKET FOR A WATERFALL TAKE 1
6. TICKET FOR A WATERFALL TAKE 2
7. THE LONER

DISC 2
COZY POWELL & JACK BRUCE PROJECT
Studio backing tracks with Cozy Powell, Jack Bruce and guirtarist. Copied from the original cassette (Maxell UDII 60) with label hand written by Cozy 'COZY/JACK ETC BACK TRAX'
1. WHITE ROOM
2. TITLE UNKNOWN

Rehearsal or demos with Cozy Powell and Jack Bruce. Original cassette (TDK AD90) inlay card hand written by Cozy with 'BRUCE/POWELL BIT'
3. SITTING ON TOP OF THE WORLD
4. TAKE IT BACK
5. CROSSROADS #1
6. CROSSROADS #2
7. DISCUSSION

Remaster version of trk 1&2 (remasterd in the UK)
8. WHITE ROOM
9. TITLE UNKNOWN


LANGLEYレーベル、プレス盤2CD。コージー秘蔵のカセットテープ3本から収録したコージーテープシリーズ。ディスク1にはコージーの1stソロアルバム"OVER THE TOP"からのデモ音源をカセット直録りで、ディスク2にはジャック・ブルースとの新バンドにおけるリハーサル音源をサウンドボード録音で収録。

ディスク1の"OVER THE TOP"デモ音源は、後に"OVER THE TOP SESSION"などにも収録されました。本作最大の目玉は、ディスク2収録のジャック・ブルースとの新バンドのリハーサル&デモ音源でしょう。高音質SBDで音質は文句なし。

まず、コージー&ジャックによるデモ・セッションを高音質SBDで収録。この時点ではバンドメンバーを探している段階であり、2人によるクリーム"WHITE ROOM"のインスト、続く未発表曲と、熱い演奏を聴くことが出来ます。

この頃、英国の音楽雑誌ケラング!にも、2人のバンド構想について記事で紹介されていたようです。私の適当で雑な誤訳だらけの訳をどうぞ。

コージー・パウエルは、伝説的ロッカー、ジャック・ブルースと新たにスーパーグループ結成を計画している。

コージー「ロックのルーツに戻ることが出来るバンドを作りたかった。俺たちは今"ミッシング・リンク"を探しているんだ。若くて実力のあるブルーズ・ギタリストや、早弾きが出来る奴はたくさんいるよ。でも、俺たちが求めているのはそうじゃない。気持ちを表現できる奴が欲しいんだ」

レインボー、MSG、ホワイトスネイクといった多くのビッグバンドで活躍してきたコージーは、過去にジャックとも一緒に仕事をしている。クリームで名声を得て、最近レコーディングされたアルバムでも高い評価を得たシンガー兼ベーシストのジャックに対し、コージーはずっと憧れと尊敬の念を抱いてきたという。

その2人による新バンドに興味のあるプレイヤーは、シェパーズ・ブッシュのNOMISスタジオを通して彼らに連絡を取って欲しい。


一方で、ケラング!ニュースデスクは"ミッシング・リンク"について、ジョン・ホッテン(英国の作家・ジャーナリスト。ケラングやクラシック・ロック・マガジンに記事を寄稿している人物)のインタビューを受けて取り上げられた、アメリカン・ブルーズ・ギタリストのマイケル・カトンである可能性を示唆している。

マイケルはブリティッシュ・ブルーズのファンとしても知られており、ホッテンのインタビューでこう述べている。

「私は英国の音楽が大好きだ、君や英国のミュージシャンたちが持っている感覚もね。つまり、クリームはこれまでで最高のバンドだってことさ」


 ・・・とのこと。

トラック3からは、コージー、ジャック、そして謎のギタリストの3名によるブルーズ・トリオ・バンドの録音となっております。このギタリストがマイケル・カトンかどうかは分かりませんが・・・クリーム"SITTING ON TOP OF THE WORLD""CROSS ROAD"、ジャックのソロから"TAKE IT BACK"と演奏を展開しています。そしてトラック7ではオーディションと思われる様子が録音されています。

 

ジャック:そう、そんな感じだな。もう少しだけロックっぽくしてみるか。
コージーああ、分かってる。そんな感じでやってみるよ。
ジャック:さすがだよな、君は自分で何をすべきかをよく理解している。俺はもう老いぼれだから・・・君が自由にやったほうがバンドも良くなる。君のような男がやるべきだ。そのほうがきっと上手くいくさ・・・そう、君なら大丈夫だ。持っているアイディアも素晴らしいし。でも君はやりたくないか。
コージー老いぼれだって?よく言うさ。あなたは十分にプレイできることを証明してみせたじゃないか。さて、これからどうするか・・・何が出来るか・・・とりあえずバンドを一度ゼロに戻して、俺たちがやっていることを整理してみよう。


ここからオーディションの時と思われる会話に。

コージー素晴らしい・・・歌もいいし演奏も最高だ。
ジャック:シンガーとしてどうだろうと思ったけど、でも俺は間違っていたよ。とても感じるものがあったな。
コージー君に会えてよかった、来てくれてうれしいよ。
ジャック:そうだな、もっと君と話をしたいし、他の奴らとも話をしたい。分かっているだろうけど、これで決定というわけじゃないんだ。
ギタリスト:私は他にも曲を持っているから、ジャックが歌うのを聴いてみたい。
ジャック:ああ・・・でも君の歌声は本当に素晴らしいね。君のことは覚えておくよ。


・・・みたいな感じでやり取りされております。なかなか興味深い音源です。ちなみに、DIMEでも放流されたりネット上にもアップされまくっているので本作の音源はアップしなくてもよいでしょう。




ジャケットは二つ折りになっており、使用されたコージーのカセットテープの写真が掲載されております。




二つ折りジャケの内側。




インレイの裏面。

 

 

 

 

 

 


ALIVE IN STUDIO III PHENOMENA YEARS (LANGLEY DELUXE 005)

Ultra rare studio demos collection taken from Cozy Powell's personal cassette tape
1. DESTINY
2. TWILIGHT ZONE
3. BELIEVE
4. KISS OF FIRE
5. DANCE WITH THE DEVIL
6. PHOENIX RISING
7. HELL ON WINGS
8. ASSASSINS OF THE NIGHT

COZY POWELL-Drums
GLENN HUGHES - Vocal
MEL GALLEY - Guitar
JOHN THOMAS - Guitar
NEIL MURRAY - Bass
DON AIREY - Keyboards
RICHARD BAILEY - Keyboards


LANGLEY DELUXEレーベル、プレス盤1CD。1984年、プロデューサーのトム・ギャレーとギタリストのメル・ギャレーの兄弟によって誕生したプロジェクト「フェノメナ」のデモ&アウトテイクをサウンドボード録音で収録。

フェノメナは、アルバムの企画・制作と同時に、関連したイラストやストーリーがケラング!に連載されるなど、1つの世界観を軸にして複数のメディアで同時展開されたコンセプト・アルバムだったそうです。流れてしまったものの、映画の製作も予定されていたみたいですね。実現していたら、このメンバーで新たにサントラも作られていたのかもしれません。

フェノメナは、湿り気のある典型的なブリティッシュ・メロディアス・ハードの楽曲が並ぶ良作ではあるのですが、完成されたアルバムでは、コージーのドラムもややオフ気味で、個々の個性を抑えたミックスになっておりました。良くも悪くも企画作品らしい感じです。

しかし、コージーテープに収録されていたフェノメナのデモ音源は、コージーのドラムがダイレクトに生々しく録音されております。リズムトラックなどは聴いていて退屈かもしれませんが、実にコージーらしいオカズ満載で、ファンなら満足できる音源だと思います。

フェノメナは、デモトラックなどを追加収録した3枚組で再販されました。本作に収録されている音源もオフィシャルに収録されたのでは、と思われそうですが、本作の音源はオフィシャル再販盤にも収録されていない物ばかりとなっているようです。

それらの中でも注目は、既にほぼ完成された形で収録されている未発表曲"DESTINY"でしょう。グレン・ヒューズの熱唱とコージーのいつも通りのプレイが聴ける、ブリティッシュ・ハードロック・ファン感涙の1曲です。それでは、音源をどうぞ!

 


1. DESTINY
2. TWILIGHT ZONE
3. BELIEVE
4. KISS OF FIRE
5. DANCE WITH THE DEVIL



6. PHOENIX RISING
7. HELL ON WINGS
8. ASSASSINS OF THE NIGHT

 

 

 

 

 

 


BEST OF THE TAPES (LANGLEY DELUXE 001)

1. Cozy Powell – Dance With The Devil (New Recording 1993)
2. Jeff Beck – Got The Feeling (Test Mix)
3. Rainbow – Stargazer (Rough Mix)
4. Rainbow – Lost In Hollywood (Rough Mix)
5. Cozy Powell – Killer (Radio Live)
6. Cozy Powell – The Loner (Backing Track)
7. Michael Schenker Group – Into The Arena (Studio Rehearsal)
8. Whitesnake – Fool For Your Loving (Live)
9. Whitesnake – Spit It Out (Backing Track)
10. Emerson, Lake & Powell – Back On The Road (Demo Track)
11. Sanne Salomonsen – Come Dance With Me (Studio Session)
12. Brian May – Since You Been Gone (Studio Rehearsal)
13. Black Sabbath – The Illusion Of Power (Rough Mix)
14. Fender Houseband – White Room (Studio Rehearsal)
15. Splinter Group - Albatros (Studio Rehearsal)


LANGLEY DELUXEレーベル、プレス盤1CD。過去にリリースされたコージーテープシリーズからベスト・テイクを選曲して収録した、サンプラー盤の要素が強い1枚。サウンドボード、オーディエンス各音源が入り混じっているので統一感には欠けます。

1曲目"DANCE WITH THE DEVIL"は、他のコージーテープ関連のブートには収録されていない、本作で初登場となるバージョンのようです。「THE DRUMS ARE BACK」リリース後、COZY POWELL'S HAMMER名義でバンドを結成した頃に録音された曲のようで、バンドに参加したマリオ・パーガは「DANCE WITH THE DEVILを再録音した」と証言しているそうです。それ以外は、既発盤で聴ける音源なので紹介は割愛します。

 


ジャケット、インレイの裏側。それでは、音源をどうぞ。

 


part.1



part.2



part.3

 

 

 

 

 


PETER GREEN SPLINTER GROUP - CAN YOU SEE ME (MASTERPORT-166)

1. IT TAKES ME
2. BLACK MAGIC WOMAN #1
3. INDIANS
4. DARK END OF THE STREET
5. ROCK STEADY
6. ALBATROSS
7. THE STUMBLE
8. AIN'T NOBODY...
9. CAN SEE YOU ME
10. GREEN MANALISHI
11. BLACK MAGIC WOMAN #2

PETER GREEN - Vocal/Guitar
COZY POWELL - Drums
SPIKE EDNEY - Keyboards
NEIL MURRAY - Bass
NIGEL WATSON - Vocal/Guitar


MASTERPORTレーベル、プレス盤1CD。ピーター・グリーンのバンド、スプリンターグループのリハーサル音源をサウンドボード録音で収録。なんでピーターグリーン?と思われそうですが、本作もれっきとしたコージーテープシリーズの1本でございます。

コージーテープの1つで、スプリンターグループのリハ音源を収録した既発CDRブート「BACK ON THE ROAD」(MASTERPORT-067)とは完全別音源。非常にクリアで生々しく録音された高音質SBDで、シブくてカッコいい大人のブルーズ・ロックを心行くまで堪能できる1枚です。

音質もさることながら、収録内容も非常に充実しております。フリートウッド・マック時代の名曲は勿論、面白いのは他のブートでは聴くことが出来ないと思われるカバー曲が演奏されている点です。

ソウルシンガー、ジェイムス・カーの名曲"THE DARK END OF THE STREET"や、ジミ・ヘンドリックス"CAN YOU SEE ME"、フレディ・キング"THE STUMBLE"など・・・ブルーズのカバーは数多いピーター・グリーンですが、やジミヘンを演っているのは珍しいのでは。

ちなみに1曲目"IT TAKES ME"とは、翌97年にリリースされる「SPLINTER GROUP」収録の"IT TAKES TIME"ですが、間違えて記載されたのか、コージーテープには"IT TAKES ME"と記載されていたのか、詳細は不明です。




ジャケット、インレイの裏面。それでは音源をどうぞ!

 


pt.1



pt.2

 

以上で、コージーテープの紹介は終わり🤗