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Barbara Thompson - BBC Live 1978-1990 ジョン・ハイズマンの奥さま BBCライヴ!


コロシアムやテンペストの中心人物ジョン・ハイズマンの妻として知られるバーバラ・トンプソンのバンド、バーバラ・トンプソンズ・パラファナリアのBBCスタジオライブ3種を紹介するよ😀

 

バーバラはデューク・エリントンジョン・コルトレーンに憧れてジャズ奏者の道を志したそうです。プロとして最初期に録音した音源の1つに、女性だけで構成されたイギリス/カナダ人混合のポップグループShe Trinityが1966年にリリースした"The Man Who Took The Valise Off The Floor Of Grand Central Station At Noon"という曲が確認できます。

話が少しそれますが、She Trinityのベース奏者は、あのポーリン・モランです。英グラナダTVの有名なTVドラマ、アガサ・クリスティー名探偵ポワロ」のミス・レモン役の女優さんです。あのレモンさんが、かつてミュージシャンとしてベースを弾いていたとは・・・ポワロもヘイスティングスジャップ警部もビックリですな(笑)。

ドラマ繋がりでもう1つ。バーバラは、デヴィッド・ジェイソン主演の有名な英国TVドラマ「フロスト警部」メインテーマおよび劇中使用曲でサクソフォンを演奏しています。

フロスト警部」は日本では知名度がないかもしれませんが、英国では20年近くに渡りシリーズが続いた人気ドラマです。日本ではCSのAXNミステリーチャンネルで現在も繰り返し放送されています。ポワロ、バーナビー警部などと並ぶ、私の大好きな英国ミステリードラマ作品の1つです。


閑話休題。バーバラは1967年にジョン・ハイズマンと結婚。その後もニュー・ジャズ・オーケストラのメンバーとして活動しながら、英国の著名なジャズ・ミュージシャンたちと共演、録音を残しております。また、ハイズマン率いるコロシアムのアルバムに参加しているのはご存知でしょう。

1976年にはマンフレッド・マン・アースバンド"The Roaring Silence"のレコーディングに参加。1978年、自身のバンドであるバーバラ・トンプソンズ・パラファナリアを結成。アルバム「Barbara Thompson's Paraphernalia」をリリース。

その後も多くのミュージシャンたちと共演をする傍ら、パラファナリア名義やソロ名義のアルバムを定期的にリリース。その功績が国から認められMBE(大英帝国勲章5等勲爵士)を授与されました。

近年、バーバラが1969年から1990年までBBCに残したライブ音源を、CD14枚組にまとめたボックスセットがリリースされました。国内盤のリリース予定はありませんが、アマゾン等で輸入盤が購入可能です。

ここで紹介するBBCライブ音源は、それらのボックスに収録済みでございます。ここで紹介するものは全てエアチェックテープからの音源の為、音質的にはオフィシャルより劣ると思われます。

とは言え、日本では馴染みのないバーバラの演奏をお試しで聴いてみるのも良いかと思います。お気に召された方は是非、ボックスセットを購入してみてください。

 

 


BBC 1978

1. Study To Be Quiet
2. Goodtyme Mr. Sam
3. Next Spring
4. Machismo

Barbara Thompson : tenor sax, alto sax, soprano sax, flute
Colin Dudman : piano, key
Roy Babbington : bass
Harold Fisher : drums


1978年3月に収録、4月2日にBBC Radio 1で放送された"BBC Sound of Jazz"出演時のスタジオライブ。トラック1-3はリリースしたばかりの1stアルバムからの曲。

コリン・ダッドマンとハロルド・フィッシャーはバーバラ同様、様々なジャズ系ミュージシャンたちとセッション音源を残してきた人物で、この後もバーバラのバンドの常連メンバーとなります。ロイ・バビントンはソフト・マシーンのメンバーとしてご存じの方も多いでしょう。それでは音源をどうぞ。

 


BBC 1978

 

 

 

 

 

 


BBC 1986

1. Entre Les Trous De La Memoire
2. Elysian Fields
3. Extreme Jonction
4. Flights Of Fancy

Barbara Thompson : tenor sax, alto sax, flute, alto flute
Peter Lemer : key
Paul Dunne : gt
Dave Ball : bass
Iam Thomas : drums, per


1986年11月24日にBBC Radio 3で放送された"Jazz Today"出演時のスタジオライブ。パラファナリア名義ではなく、バーバラのソロアルバムとして1986年にリリースされた「Heavenly Bodies」リリース直後のライブで、4曲全て同アルバムからの選曲となっております。

選曲はバーバラのソロアルバムからの物ですが、ライブはパラファナリアとしての出演です。メンバーが今回もなかなか面白い顔ぶれでで、ギルガメッシュマイク・オールドフィールドでの活動で知られるピーター・レマーや、ダイアー・ストレイツのデヴィッド・ノップラーのソロアルバムの常連デイヴ・ボールが参加しています。

イアン・トーマスは誰だろう・・・クラプトンやポール・マッカートニーマイケル・ジャクソン等のツアーやセッションに参加しているあの人でしょうか?ギタリストについては全く分かりません。

1978年のライブよりもジャズ・ロック色が若干強くなった印象です。1988年にはパラファナリア名義でライブアルバムを出していますが、それとは収録曲が全く点がファンには嬉しいところ。それではどうぞ。

 


BBC 1986

 

 

 

 

 

 


BBC 1990

1. Castles In The Air
2. Squiffy
3. Cheeky

Barbara Thompson : tenor sax, alto sax, flute
Peter Lemer : key
Malcolm McFarlane : gt
Phil Mulford : bass
Jon Hiseman : drums, per


1990年6月21日にBBC Radio 2で放送された"Jazz Parade"出演時のスタジオライブを収録。

オープニングはパラファナリア名義で1982年にリリースされたアルバム「Mother Earth」収録曲"Castles In The Air"からスタート。トラック2-3は、1991年にリリースされる"Breathless"収録曲で、この時点ではまだ未発表となっていた曲です。

今回もメンバーが面白い。常連のピーター・レマーはもちろん参加。ギターのマルコム・マクファーレンは1988年パラファナリアに加入。1992年からは並行してシャカタクにも加入して活動を行っており、ご存じの方も多いかと思います。

フィル・モルフォードは主に英国ジャズシーンで活動。マルコムとはSYSTEM X(英国のジャズバンド)で共に活動しております。1995年には、アニー・ハズラムと決別したマイケル・ダンフォード&ステファニー・アドリントンによるルネッサンスのアルバム「The Other Woman」に参加しています。

そして、バーバラの夫でありロックファンお馴染みの名ドラマー、ジョン・ハイズマンが参加。コージー・パウエル曰く変人と言わしめるほどの超絶テクニックを、このライブでも披露しております。コロシアム2の頃と変わっていないですよ、相変わらず手数が多くて凄いプレイです。

それでは、バーバラ・トンプソンとジョン・ハイズマン夫婦共演の貴重なライブをどうぞ。

 


BBC 1990

 

 

この後、ジョン・ハイズマンは1994年にコロシアムを再結成。一方、バーバラは97年にパーキンソン病を患い、一時は音楽活動を休止したが2003年に復帰した。

同じ頃、コロシアムのサクソフォン奏者ディック・ヘックストール・スミスが劇症肝炎で体調を崩した為、バーバラが代理でコロシアムに参加した。2004年、ディックが亡くなった為、バーバラが正式にメンバーとなった。

並行してソロ名義やパラファナリア名義のアルバムをリリースしていたが、2018年に夫のジョン・ハイズマンが死去。現在はこれといった活動を行っていない。以上、バーバラ・トンプソンの音源特集でした。