WINELIGHT 1993 (2000GFRR 448)
DISC 1
1. Winelight
2. Nice 'N' Easy
3. Gramercy Park
4. Lullabye For Shana Bly
5. Take Five
6. Summer Chill
DISC 2
1. Radio MC
2. MEDLEY :
Inner City Blues
- Trouble Man
- Ain't No Sunshine
- Easy River Drive
- Little Black Samba
- Lock in the Pocket
- Just The Two Of Us
- Sausalito
3. Only For You
4. Let It Flow (For Dr. J)
5. Mr. Magic
スムーズジャズやジャズ・ファンクなど新たなジャズ分野のパイオニア的存在である、グローヴァー・ワシントン・ジュニアの1993年5月23日ニューヨーク・シティ公演をサウンドボード録音で収録した、2000GFRRレーベルのブートレグ盤を紹介するよ😀
1992年にリリースされた当時の新作「Next Exit」は、クール・ジャズの第一人者ポール・デスモンドの代表曲"Take Five"のカヴァーや、ヴォーカル・グループのレジェンド的存在であるフォー・トップス、レイラ・ハサウェイ、ナンシー・ウェルソンと言った大物シンガーが参加するなど、ジャズだけではなくファンクやR&B要素も加わった、アルバム"Winelight"路線のワシントンらしい作品となった。
中でも、息子であるグローヴァー・ワシントン3世との共作"Summer Chill"は大きな話題を呼び、グラミー賞にもノミネートされた(受賞は逃している)。
しかし、内容としては商業路線のスムーズ・ジャズであり、目新しいものが無いと言った評価が多かったのも事実だ。確かに本作は、"Winelight"以降にワシントンが数多く作り出してきた、都会的で洗練されたスムーズ・ジャズ寄りのサウンドの域に収まってしまっているのかもしれない。大物シンガーたちの参加も話題性だけが先行し、内容としては印象に残るものではなかった。
しかし、アルバムで聴くことが出来るワシントンのソウルフルなサキソフォンは、昔と変わらぬ魅力を放ち続けている。クールで尖った硬派なジャズではないが、ジャズに馴染みがない人でも親しみやすく聴きやすい"Winelight"以降の彼のサウンドは、今風に言えばシティ・ポップ的なお洒落なジャズである。
ここで紹介するブートレグは、その「Next Exit」リリース後のライヴをFM放送音源で収録したもの。ワシントンのライヴは映像、音源どちらも最盛期80年代のものばかりだ。90年代に入るとツアーのデータすらロクに出てこない状態である。色々と調べてみたが、93年のライヴ音源の存在は確認できなかった。
93年と言うと、ビル・クリントンが大統領に就任した直後で、ホワイトハウスでのジャズイベントにおいて、ハービー・ハンコック、ウィントン・マルサリス、そしてサキソフォン演奏が趣味のビル・クリントンと共演した年だ。
こういった場に呼ばれるほどのワシントンが、ライヴ活動を殆ど行っていなかったとは考えにくいのだが、兎に角データも音源も出てこない。とすると、この音源はワシントンの活動後期を記録した貴重なものと言えるのかもしれない。
代表曲"Winelight"から始まり、後半には、アルバム"Winelight"からシングル・カットされ大ヒットを記録した、ヴィル・ウィザースによるヴォーカル・ナンバー"Just The Two Of Us"が演奏される(ディスク2の8:50辺り)。ここで歌っているのが誰かは不明。
円熟味を増したワシントンのサキソフォンは、まるで熟成されたワインのように更に洗練されている。"Winelight"の輝きは失われることなく、より深みを増して光を放ち続けているのだ。恋人を家に迎えて食事をする時や夜景を楽しむ時は、この音源を流しながらムードに浸ってみては如何だろう。
ジャケット裏面と盤面。では、音源をどうぞ。
disc 1
disc 2
以上です。