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Michael Schenker Group - Japan Tour 1981 Bootleg File


マイケル・シェンカー・グループの初来日公演を収録したブートレグ盤を紹介します。

1980年9月からツアーを開始したマイケル・シェンカー率いるMSGは、1981年の春にレコーディングを行い、9月に2ndアルバム「MSG」(邦題:神話)をリリース。ビルボード81位、英14位、日本ではオリコン15位を記録した。

アルバム「MSG」リリース直前に日本からツアーを開始したMSGは、黄金期のラインナップで遂に待望の初来日を果たした。

8月12日 東京・日本武道館大ホール
8月14日 名古屋・名古屋市公会堂
8月17日 福岡・福岡サンパレスホール
8月19日 大阪・フェスティバルホール(昼夜2公演)
8月20日 京都・京都会館第1ホール

日本公演はこのような日程となっている。初日の武道館公演はご存じの通り「飛翔伝説 ONE NIGHT AT BUDOKAN」というタイトルでオフィシャル・リリースされている。

但し、風邪による体調不良で、当日のパフォーマンスに納得がいかなかったコージーのドラム・ソロがカットされている他、絶不調だったゲイリーのヴォーカルパートが差し替えられている。マイケルのプレイも決して良いものではなかった。

武道館公演はTOKYO FMでも放送されたらしい。放送版はヴォーカルの差し替えをせずにそのまま流しており、結果、ゲイリーのパフォーマンスがファンに知れ渡ってしまったようだ。FM放送音源は繰り返しブート化されており今も入手は容易である。他の公演の音源は近年発掘が進み、名古屋と京都の2公演がブート化された。

大阪公演は夜公演が昔から何度かブート化されてきた。10年ほど前にオフィシャルライブ盤「WALK THE STAGE : THE OFFICIAL BOOTLEG BOX SET」がリリースされ、大阪公演は昼夜2公演がSBD音源で収録された。

「WALK THE STAGE」に収録された大阪2公演は、両日ともコージーのドラムソロがカットされている他、MCなど細かい部分でもカットが多いようだ。これらを考慮すると、完全収録されたブートレグ盤もまだ価値は失われてはいないかもしれない。

 

 

LINE UP:
Michael Schenker : gt
Gary Barden : vo
Chris Glen : b
Cozy Powell : dr
Paul Raymond : gt, key

 

 


DEFINITIVE BUDOKAN 1981 (ZODIAC 204)

DISC 1
1. The Ride Of The Valkyries
2. Armed And Ready
3. Cry For The Nations
4. Attack Of The Mad Axeman
5. But I Want More
6. Victim Of Illusion
7. Member Introduction
8. Into The Arena
9. On And On
10. Never Trust A Stranger
11. Let Sleeping Dogs Lie

DISC 2
1. Tales Of Mystery
2. Drum Solo
    incl. 633 Squadron & 1812 Overture
3. Courvoisier Concerto
4. Lost Horizons
5. Doctor Doctor
6. Are You Ready To Rock

ZODIACレーベル、プレス盤2CD。1981年8月12日、武道館公演をオーディエンス録音で収録。複数のブートとソースが存在している武道館公演ですが、こちらは既発盤とは違う別ソースを使用した新発掘音源。使用しているテープはキニー秘蔵の物とのこと。

このラインナップ最初で最後のスタジオアルバム「MSG」の楽曲は大変に素晴らしいものばかり。この日はミスが多いポール・レイモンドですが、彼のキーボードはアルバムに美しい色を添えています。そこに重なるマイケルによる荘厳で美しいアルペジオ。MSGは、キーボードとマイケルが生み出す美しいメロディが最大の魅力だと個人的に感じます。それでは音源をどうぞ!

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


FM LIVE SPECIAL -BUDOKAN 1981-

1. DJ Intro
2. The Ride Of The Valkyries
3. Armed And Ready
4. Cry For The Nations
5. Attack Of The Mad Axeman
6. But I Want More
7. Victim Of Illusion
8. Member Introduction
9. Into The Arena
10. On And On
11. Drum Solo
       incl. 633 Squadron & 1812 Overture
12. Are You Ready To Rock
13. DJ Outro

「DEFINITIVE BUDOKAN 1981」を購入すると付いてくるボーナスCDR。NHK-FMで放送された武道館公演を収録しています。

キャメルの1978-79年ツアーの記事で紹介した、NHK-FMのライブ特番と同じ番組(ライブ・スペシャルという番組?)みたいです。この音源は、2012年に発掘されたとメーカーインフォにありますが、キャメルの音源も同じ頃にdimeから出てきたことを考えると、恐らく同じ人が録音したものではないでしょうか。では音源をどうぞ。

 


part. 1



part. 2

 

 

 

 

 

 


天孫降臨 The Descendant Of God (TCDMSG-2-1, 2)

DISC 1
1. Apocalypse Now
    - Der Ritt der Walkueren
2. Armed And Ready
3. Cry For The Nations
4. Attack Of The Mad Axeman
5. But I Want More
6. Victim Of Illusions
7. Band Introduction
8. Into The Arena
9. On And On
10. Never Trust A Stranger
11. Let Sleeping Dogs Lie
12. Tales Of Mystery

DISC 2
1. 633 Squadron (Cozy Powell)
2. Solo (Cozy Powell)
3. 1812 Overture (Cozy Powell)
4. Courvoisier Concert
5. Lost Horizons
6. Doctor Doctor
7. Are You Ready To Rock
8. Ending announcement 1
9. Ending announcement 2
10. SE / Last MC~fade out

TARANTURA(new)レーベル、プレス盤2CD。1981年8月14日名古屋市公会堂公演をオーディエンス録音で収録。繰り返し再販されている他、紙ジャケットを再現した精巧なCDRコピー盤も出回っています(一時期メルカリで頻繁に販売されていました)。

音質、内容ともに素晴らしいブート。上の「DEFINITIVE BUDOKAN 1981」が全体像を鮮明に捉えている優等生な音であるのに対して、本作は若干歪んだ荒々しいトーンで、鮮明さを犠牲にしている代わりに低音が非常に明確でズシッと響いてきます。ハードロックバンドの音源は、これくらい粗い音のほうが逆に格好良く感じます。

武道館ではミスが目立った演奏も、名古屋公演では調子を取り戻している印象。マイケルのプレイも非常に鋭く感じられます。ゲイリーも安定しており、武道館公演よりも明らかに完成度の高いライブ。では音源をどうぞ。

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


DOUBLE ATTACK AT OSAKA 1981 -1st Show-

DISC 1
1. Armed And Ready
2. Cry For The Nations
3. Attack Of The Mad Axeman
4. But I Want More
5. Victim Of Illusion
6. Into The Arena
7. On And On
8. Never Trust A Stranger
9. Let Sleeping Dogs Lie

DISC 2
1. Tales Of Mystery
2. Drum Solo
3. Lost Horizons
4. Doctor Doctor
5. Ready To Rock

レーベル不明2CDR。1981年8月19日大阪フェスティバルホール公演1st SHOW(昼公演)をオーディエンス録音で収録。昼の部の公演を収録したブートは恐らく本作が初登場。後発盤は下で紹介するLOST AND FOUNDレーベル「ON AND ON」などが存在しています。

音質は平均的なレベル。名古屋で調子を取り戻したかに思えたバンドですが、大阪公演は再び低調なパフォーマンス。テンションまで低く終始淡々とした内容。武道館よりも酷い内容です。

ゲイリーの調子の悪さばかりが取り上げられますが、大阪公演は主役のマイケルが特に精彩を欠いています。コージーまで同じように精彩を欠いており、演奏はどうにも締まりがありません。では音源をどうぞ。

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


DOUBLE ATTACK AT OSAKA 1981 -2nd Show-

DISC 1
1. Armed And Ready
2. Cry For The Nations
3. Attack Of The Mad Axeman
4. But I Want More
5. Victim Of Illusion
6. Into The Arena
7. On And On
8. Never Trust A Stranger
9. Let Sleeping Dogs Lie

DISC 2
1. Tales Of Mystery
2. Drum Solo
3. Lost Horizons
4. Doctor Doctor
5. Ready To Rock

レーベル不明2CDR。1981年8月19日大阪フェスティバルホール公演2nd SHOW(夜の部)をオーディエンス録音で収録。下で紹介する既発盤「NIGHT INTO THE ARENA」と同じソースが使われていますがソースと音質は全く同じです。

昼の部はダラダラとした演奏でしたが、夜は挽回・・・ということもなく、昼と同じようにテンションの低い演奏に終始しています。体調不良や疲れがあったとも言われていますが、それにしても淡々とし過ぎています。聴けないレベルではないにしても、敢えて大阪公演の音源を買う必要はないかと。それでは音源をどうぞ。

 


part. 1



part. 2



part. 3

 

 

 

 

 

 


THE NIGHT INTO THE ARENA (BS 13003/13004)

DISC 1
1. Intro
2. Armed And Ready

3. Cry For The Nations
4. Attack Of The Mad Axeman
5. But I Want More
6. Victim Of Illusion
7. Into The Arena
8. On And On
9. Never Trust A Stranger
10. Let Sleeping Dogs Lie

DISC 2
1. Tales Of Mystery
2. Cozy Powell Drum Solo
3. Lost Horizons
4. Doctor Doctor
5. Ready To Rock

レーベル不明2CDR。大阪公演2nd SHOW(夜の部)をオーディエンス録音で収録。90年代終わり頃に西新宿の通販で購入したもの。盤面にカタログナンバーのみ印字されており、他はタイトルも何も入っていない無印字シルバーディスクCDR。

オフィシャル「飛翔伝説」以外で、私が初来日公演のライブ音源を初めて聴いたのがこのブートでございました。オフィシャルとのあまりの違いに驚いたものです。夜の部を収録した後発ブートは全て本作と同じ音源を使用しています。

 

 

 

 

 

 


ON AND ON (LAF679/680/681)

DISC 1
1. Intro
2. Armed And Ready
3. Cry For The Nations
4. Attack Of The Mad Axeman
5. But I Want More
6. Victim Of Illusion
7. Into The Arena
8. On And On
9. Never Trust A Stranger
10. Let Sleeping Dogs Lie
11. Tales Of Mystery
12. Drum Solo

DISC 2
1. Courvoisier Concerto
2. Lost Horizons
3. Doctor Doctor
4. Ready To Rock
5. Intro
6. Armed And Ready
7. Cry For The Nations
8. Attack Of The Mad Axeman
9. But I Want More
10. Victim Of Illusion
11. Into The Arena

DISC 3
1. On And On
2. Never Trust A Stranger
3. Let Sleeping Dogs Lie
4. Tales Of Mystery
5. Drum Solo
6. Courvoisier Concerto
7. Lost Horizons
8. Doctor Doctor
9. Ready To Rock

DVD-Rは省略

LOST AND FOUNDレーベル、3CDR+1DVDR。CDRには1981年8月19日大阪フェスティバルホール公演1st & 2nd SHOWをオーディエンス録音で収録。DVDRには1981年1月24日ロックパラストの映像と、1983年12月13日ドルトムント公演をそれぞれプロショットで収録。

大阪2公演をまとめてパッケージしており大阪公演未聴の人には有難いブート。上の「DOUBLE ATTACK AT OSAKA」と全く同じソース&音質です。

 

 

 

 

 

 


VALKYRIES (Shades 056)

DISC 1
1. The Ride Of The Valkyries
2. Armed And Ready
3. Cry For The Nations
4. Attack Of The Mad Axeman
5. But I Want More
6. Victim Of Illusion
7. Into The Arena
8. On And On
9. Never Trust A Stranger
10. Let Sleeping Dogs Lie

DISC 2
1. Tales Of Mystery
2. Drum Solo
    incl. 633 Squadron & 1812 Overture
3. Courvoisier Concerto
4. Lost Horizons
5. Doctor Doctor

SHADESレーベル、2CDR。1981年8月20日京都会館公演をオーディエンス録音で収録。来日公演最終日となる音源。

メーカーインフォでは「高音質」「驚愕の」といった単語を並べて誇張していますが普通のオーディエンス録音。"Armed And Ready"冒頭が欠落している他、"Let Sleeping Dogs Lie"冒頭もテープチェンジと思われる欠落個所があります。

前日の大阪はテンションの低い演奏でしたが、京都公演は若干ながら調子を取り戻しています。それでも、1月のROCKPALAST、6月のPINKPOP FESと比べると、(聴いたことがない福岡公演を除く)全公演において演奏の出来はイマイチ。

この日もゲイリーは決して調子は良くないですが、それ以上にマイケルのミスが目立ちます。"Attack of the Mad Axeman"も危なっかしい演奏をしています。"On And On"終盤、マイケルの腕の見せ所であるソロパートもミスしています。面白い演奏であるとも言えますが、1公演くらいは会心の演奏内容を残して欲しかったですねえ。

とはいえ、終盤になると持ち直しているのはさすが。マイケル、コージー、ゲイリーが今一つ精彩を欠いても、ポール・レイモンドが鮮やかなキーボードプレイでフォローするなど、このメンバーはやはり強いです。それでは音源をどうぞ!

 


part. 1



part. 2

 

 

 

OMAKE🙄

 


MSG黄金期であるゲイリー・バーデン在籍時のツアーは、最近になり少しずつ情報が出回るようになってきました。しかし、その中で初来日公演後に行われた1981年9月-10月の欧州ツアーの情報が殆ど存在しません。

ネットを調べまわりましたが、僅かに出てきた情報は根拠が乏しく疑心暗鬼の連続でございました。例えば、各バンドのツアー情報を掲載している海外サイトにて、1981年3月27日、MSGはチープ・トリックのサポートとしてフォートウェインでコンサートを行っていると出てきます。81年に北米でライブ?😦

 


この件について調べると、81年3月27日にチープ・トリックがフォートウェインでコンサートを行っているのは間違いありません。しかし、サポートはMSGではなく38スペシャルとなっています。ガセ情報でございました。

1981年のMSGの主な活動について分かっていることは、1月24日ハンブルクでロックパラストを収録。6月8日オランダ・ピンクポップフェスに参加。8月12日~8月20日まで初来日公演。9月からの英・欧州ツアーの日程は本当に出てきません。

 


これは海外の音楽系の広告。MSGの英国ツアーの日程が載っています。スターファイターズをサポートに迎えてツアーを行ったことが分かります。

 


eBayでチケット半券を検索すると、81年9月の各公演の半券が色々と出てきます。8日ブリストル・コルストンホール。17日バーミンガム・オデオン。24日オランダ・ユトレヒト。30日パリ。9月末まで英国と欧州各国をツアーしていたのは間違いなさそうです。

 


海外テーパーのリストより。19日にオランダ公演?これはきっと誤記と思われますが、音源は確かに存在しているみたいです。欲しいな😲

 

9月の英国・欧州ツアーの音源はやはり存在しないのだろうか・・・諦めかけていたのですが、調べに調べまわった結果、海外の音源フォーラムで偶然にも発見!

投稿された音源は「1981年9月15日レスター公演」とあります。やはりツアー表には載っていません。しかし"ARMED AND READY"冒頭や演奏後、ゲイリーが「レスター!」と叫んでいるので、レスター公演で間違いないでしょう。

音源は"ARMED AND READY"演奏後辺りまでは音が若干こもっているものの、その後は鮮明になります。なかなかの良質なオーディエンスソース。

問題点は"BUT I WANT MORE"の途中、エンコード時に発生したと思われるデジタルノイズがあることと、"LET SLEEPING DOGS LIE"の途中でフェードアウトする点。また、ドラムソロの後、ゲイリーが「コージー・パウエル!」と叫ぶ瞬間も少しカットがあります。

8月の日本公演では、セットに入っていた"ON AND ON"が演奏されていません。テーパーの手で意図的にカットされたか、或いはセットから外されたのか不明。編集跡がないかイヤホンで繰り返し聴きましたが、それらしき痕跡は見つからなかったので恐らく演奏されなかったのでしょう。

それでは音源をどうぞ。アップした音源はデジタルノイズをカットして、音量は一定になるように調整しました。それ以外は一切いじっておりません。ブート屋は探してダウンロードしてブート化どうぞ!

追記:ダウンロード音源を自家製ブートとして販売しているネットの業者がブート化しておりました😑

 


pt.1



pt.2



pt.3

 

 

英国・欧州ツアーのあと、ゲイリー・バーデンが事実上の解雇という形で脱退。ゲイリーの解雇に不満を持ったポール・レイモンドもバンドを去ってしまう。

残ったマイケル、コージー、クリスの3名で「ASSAULT ATTACK」の制作がスタート。その時のデモ音源が、コージーが録音したカセットテープに残されていた。テープはコージーテープの1つとして流出、2003年にブート化されました。

コージーがまだバンド在籍中に記録された「ASSAULT ATTACK」デモ音源の登場は、当時かなりの衝撃でした。

 

 



ASSAULT ATTACK DEMOS (LANGLEY-193)

LANGLEYレーベル、プレス盤1CD。もはや説明不要の有名な音源。ZODIACレーベルから登場した後発盤は、より収録時間が長い完全版とのこと。グラハム・ボネットはまだ参加しておらず、ヴォーカルもキーボードも不在の状態で「ASSAUTL ATTACK」の制作がスタート。

どの曲もまだ未完成で単調で、2,3回も聴くと飽きてしまうと思います。ただ、バンドが置かれた状況や、マイケルとコージーの不安定な関係など、当時のスタジオの空気を想像しながら聴くと面白いかもしれませんね。インレイの裏面に、当時のケラング!のMSGに関する記事の切り抜きが使われています。

 

 


1982年当時、MSGの特集が組まれたケラングはこれかな?バッジーやプレイング・マンティスが特集されています。これはマニアックです。「ASSAULT ATTACK DEMOS」のジャケットの裏側に載っているケラングの記事を、私の超低レベルな英語力で訳すと・・・。

マイケル・シェンカー、コージー・パウエルグラハム・ボネットクリス・グレンは、ダブル・ライブ・アルバム(ONE NIGHT AT BUDOKAN)のリリースに伴い、ロンドンとオックスフォードのヴァージンストア店舗でアルバム購入者にサインをすることになっていた。だが場所となるヴァージンストア店舗ではトラブルが生じた。

ホワイトスネイクのニール・マーレイは、音楽関係者から聞いた話としてこう話している。

「メンバーの1人(恐らくマイケル)が『ゲイリー・バーデンに今すぐ戻ってきて欲しい』と周囲に洩らしていたという話をグラハムが耳にするまでは、グラハムは普通にしていたみたいだ。

しかし、サイン会直前にどこからかその話を耳にしてしまったグラハムは明らかに動揺してしまい、その後、酒を何杯も飲んで30分後に酩酊状態でサイン会場に戻ったらしい」

バンドは4月にレコーディングを開始しており、アルバムが完成したらすぐにリリースする予定だが、MSGはまだ次のキーボードプレイヤーを見つけていない。一方、コージー・パウエルジョン・ロードの新しいソロ・プロジェクト(BEFORE I FORGET)のセッションを終えた所だ。

ちなみにダブル・ライブアルバムのサイン会当日、グラハムを除くトラブルの犠牲者は、昼休みに行列に3時間も並んだことで仕事を休む羽目になったファンたちであった。それでも、この日だけでメガストア全体で約500枚のアルバムを売り上げた。

 

■コージー脱退を報じる記事より
ケラングがコージー・パウエルに行った最近のインタビューでは『どのくらいの間、MSGで活動を続けるのか』という質問をしたが、その回答は結果的に皮肉な形となってしまった。インタビューから数日後、コージーが「MSGを辞めて当面の間は音楽活動をしない」と発表したのである。

コージーがMSG脱退と音楽活動休止を発表したのは、これまでのMSGでの活動の中で耐えてきた人間関係やプレッシャーが積もり積もった為だろう。当分の間、コージーはレース活動などに時間を費やすつもりだという。

 

■ケラングの読者投稿欄より
コージーがこのような形でMSGを辞めるに至った原因は、音楽マスコミが彼について書いた根拠のない憶測記事が原因だろう。コージーは「私はもう暫くMSGで活動を続けようと思っていたが、記事を読んで気持ちが折れてしまった」と語った。

問題のインタビュー記事が掲載されてから1週間後、私たちは彼がMSGを脱退したことを知ることになった。コージーがMSGの音楽に上手く適応出来なかったという趣旨の記事は信用できない。そして今回の件で、彼は1つのことを徹底して取り組む人物だということが証明されたと思う。

私はコージーに対して個人的な感情は何も持っていないが、今回の彼の脱退のタイミングは最悪だと思っている。MSGは(ゲイリーやポール・レイモンドの脱退などによる)一連の大きなトラブルからようやく元に戻りつつあった。マイケルには本当に休息が必要だったんだ。

私は、マイケルがバンド活動に専念できるような、バンドの核になり得るようなドラマーを新たに得て欲しいと願っている。今回のような辞め方はバンドに大きな問題を残してしまう、コージーは自分勝手に辞めないで欲しかった。

クソッ!私はコージー・パウエルを観に行くつもりだったんだ。彼は(グラハム加入後のレインボーの)曲があまりにも商業的だという理由でレインボーを脱退して18か月前にMSGに加わった。

MSGのデビューアルバムは最高の出来だったが、セカンドアルバムは残念な出来で失望していた。リリース直後に素晴らしいシンガーだったゲイリー・バーデンと、ギター・キーボード奏者のポール・レイモンドが去っていった。こうして最高のラインナップは崩壊した。

その直後に知った嫌なニュースは、コージー自らが(レインボーのポップ化を招いた)グラハム・ボネットをMSGに誘ったというものだった。

それからすぐにコージーがMSGを辞めたと聞いた。このニュースは彼がMSGに残留するとケラングで発言した1週間以内に来たんだ!この男は偽善者だ。MSGはバンドとして完成していたのに、コージーは自分と金の為にMSGから去っていったんだ。凄まじく馬鹿げている。私や他の多くのシェンカーファンは、コージーを許すことは決してないだろう。

当時のMSGの活動拠点であったイギリスでは、コージーのMSG脱退劇について、ファンからの批判が意外と多かったのでしょうか。これは意外。以上でMSG1981年9月のツアー特集は終わりです。